感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みさと
1
日中戦争以後の、総力戦体制構築など政治の動きを追う。政府、軍部、官僚、そして国民各階層における諸団体などが、どのような力学で総力戦に対応しようとしたのか。日中戦争が宣戦布告なき戦争だった故に、軍による占領・軍政が行えず、政府が外交を通じて現地傀儡政権を指導する形を取らなければ行けなかったこと、近衛文麿がめざした新体制運動が頓挫した理由が、明治憲法への抵触にあったことが知れたのは大きな発見だった。それにしても、「○○の思想と行動」という言葉がまだ遣われていたことが驚きだった。いつまでそれをやっているのか。2021/02/16