目次
1 「ゲド戦記」との出会い
2 言葉探しの三十年
3 意味からこぼれ落ちるもの
4 ル=グウィンとともに
著者等紹介
清水真砂子[シミズマサコ]
1941年、朝鮮生まれ。青山学院女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Die-Go
56
追悼ル=グウィン。図書館本。『ゲド戦記』を訳した清水真砂子さんが、その苦労や喜びを語った講演の再録。長年に渡る原書との付き合いは並大抵の苦労ではなかったと思われるが、彼女はそれが喜びだったと語る。清水さんが訳者で良かったと思える内容。★★★★☆2018/02/14
けんちゃん
27
「ゲド戦記」を翻訳された清水真砂子さんの講演より。原文を読む力がないので、海外作品は訳本のみで楽しんでいますが、翻訳者は原作者以上に言葉を選び、ひとつの言葉を使うにも多くの手間をかけて検証されているということに敬服しました。言葉が大好き、という清水さんが一所懸命に言葉を探して大事に訳した作品、もっともっと丁寧に再読したいなぁと思います。「読者には誤読する権利があるから、読みたいように読む」という言葉、当たり前のことですが、何だかちょっとうれしくなりました。2012/01/28
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
20
【1回目】偶然、自室の書架から救い出したもの。見つけてよかった。作品が体現しているテーマや意味に拘泥することで矮小化されてしまう点について、注意を喚起している。『影との戦い』だけは、数回再読しているのだが、やはり全巻を通じて再読する必要と価値があると思われた。電子書籍化に際して、あとがきも付されている様子なので、買い直しを検討したい。ル=グィン、清水とも、他の著作をもっと読み込んでいきたいと思わされた。2021/07/31
frosty
11
まあまあかな なるほどと思うところもあったけど、……って言ってるけど、たぶん私嫉妬してるだけだと思う(笑)ル・グウィンさんとお話できるのいいな、って嫉妬してる2017/01/19
kamakama
7
自分の半生を大作「ゲド戦記」の翻訳に捧げた翻訳者が、原作者ル・グィンに向けて書いた言わばラブレター。言葉ひとつひとつをゆるがせにしない翻訳者と、アースシーという自分が想像した世界の何丁目何番地に至るまでを把握しつくしている原作者の凄みたるや。この両者の情熱の結実がゲド戦記であったのだと思うと、もう一度読み返したいと言う思いがふつふつとわきあがってきた。原作者の他の作品にもこの際手を伸ばしたい。そういうモチベーションを喚起してくれる作品・作者の放つオーラって理屈抜きですごいです!!2011/01/12