目次
生活者は格差社会を望まない
国内を循環しない経済は社会の二極化を招く
生活の尊重こそ人間の尊厳を守る
差別社会のゆくえ
差別と競争を教育に持ち込んではいけない
格差を助長する国家システム―税制と社会保障
格差社会をこえて
著者等紹介
暉峻淑子[テルオカイツコ]
埼玉大学名誉教授。1928年大阪府に生まれる。1963年法政大学大学院博士課程修了。専攻は生活経済学。政治、経済、教育、福祉などさまざまな問題について発言してきた。近年は、ユーゴスラビア難民を支援するNGOの活動に精力的に携わるとともに、憲法と教育基本法を守る活動に力を入れている
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感想・レビュー
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あめこー
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「競争はけっして自由ではなく、競争は不自由なのです。」(p.46)2013/08/20
壱萬弐仟縁
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ある論者は貧困と格差は違う、という者もいるが、評者は一体化している社会問題だと思う。政治経済の問題で、格差・差別は民主主義とあいいれない(18ページ)との節は、政策や制度や法律の問題であることもよくわかる。生存権を保障しているにもかかわらず、ある企業は住民の権利を侵害しても頭を下げず、むしろ加害者のくせに被害者ぶる対応をする者もいる。利害だけで動くと、そうしたエゴが剥き出しになり、これが格差社会の実態であろう。自分だけよければ・・・が原発のような文明の終着駅をつくってしまい、始末に負えなくなっている。2012/09/21
satochan
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所得格差ががもたらす状況について書かれている。お金がなければ何もできないが、お金がある人はさらにお金を得られる仕組みがあり、ない人は得る仕組みはないと思わされる。大企業を優遇することにどこまでの価値があるのかを考えさせられる本だと思う。2011/03/21
愛希穂
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日本社会は、金持ちにはいよいよ金儲けができる道を、貧乏で力の弱い者にはいよいよ貧困と諦めへの道を、国策として推進している。 その哲学とは、金持ちを優遇すれば儲けはみな自分のものになるからと、金持ちはもっと金儲けに励むだろう、貧乏なものは飢え死にしないために不満があっても文句を言わずに働くだろう、それが、効率的に富をふやす最上の方法だ、というもの。 それは、短絡的には効率的であるようにみえて…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2011/08/26