出版社内容情報
今や公立小学校の7割以上,中学校の6割以上で導入と急速に普及した指導法だが,果たして真に子どもの学びを支え,伸ばすことはできるのか.海外での同様の取り組みの事例をもとに問題点を検証する.
目次
1 急速に広がる「習熟度別指導」
2 「習熟度別指導」は時代遅れ!
3 「習熟度別指導」は有効か
4 授業の改革による協同的な学びへ
著者等紹介
佐藤学[サトウマナブ]
1951年広島県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。東京大学大学院教育学研究科教授。教育方法学。子どもの学びを中心に据え、内外の実践から得た知見と理論をバックに授業改革・学校改革に参画。研究者としてアメリカ・ヨーロッパでも高い評価を受ける。ナショナル教育アカデミー会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taverna77
2
親の希望に即して組織した習熟度別編成を「能力別編成」ability groupingと呼び、能力別指導、進路別指導をtracking(能力や進路の差によってコースを振り分ける教育)と呼び、「危機が改革を生むのではなく、改革が危機を生み」、「学校とはサービスと営利ではなく、責任と使命に基礎をおいており」、「教育内容(単元)をプログラム(段階)ではなく、プロジェクト(課題)としてとらえ直す必要があり」、「能力の不平等は教育の不平等の結果である」ことを知る。とかく熱い一冊!2019/02/24
時折
2
エリートを育てることも大切だとは思いますけどね。まっ、でも、大切な提言が含まれていることは間違いないでしょう。2012/12/12
2h35min
1
2004年刊行 2002年いわゆる「ゆとり」が始まっている。と同時に、「バッシング」「学力低下論」も起こっていて、「習熟度別指導」もその流れの中で出てきたものだと、再確認できた。2023/12/16
松村 英治
1
15年ほど前の本なので新しいエビデンスが出ているのかもしれないけど、この本を読む限りは、習熟度別指導のメリットはほぼない。 クラス分けをし、そこに合わせた(授業レベルを下げた)結果、児童が満足するようになる。 それだけで本当によいのだろうか。2020/05/11
そちゃ
1
佐藤学氏はすごい2