出版社内容情報
小泉内閣の下で,全国的に大規模な市町村合併が推進されようとしている.なぜ,この間急速に合併への機運が高まってきたのか.合併によって,自治体行政はいかに変化し,住民にとってはどんな問題点が予想されるだろうか.
内容説明
本書では、地域経済学の立場から、住民の暮らしと地域の経済にとって何を考えるべきか、その問題点を明らかにした。長野県の小布施町や高知県の馬路村などから学びながら、市町村合併に代わる「もう一つの繁栄の道」を積極的に提示している。
目次
なぜ今、合併を急ぐのか
自治体・住民にとっての問題点は何か
戦後大合併の光と影
合併を拒否した地域の教訓
地域づくりの新たな可能性を求めて
著者等紹介
保母武彦[ホボタケヒコ]
1942年生まれ。名古屋大学経済学部卒業。大阪市立大学大学院経営学研究科博士課程単位修得退学。現在、島根大学法文学部教授。専攻:財政学・地方財政論・地域経済論。自治体問題研究所理事
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
9
本書は、合併に潜む問題点と、合併しなくても繁栄する地域・自治体を築くための処方箋(3頁)について書いたもの。島恭彦編『町村合併と農村の変貌』有斐閣 が合併問題研究の古典(9頁)。覚えておきたい。プラトンは都市の適正規模を人口5000人と考えたようだ(19頁)。明治維新では、国会よりも先に、町村合併しているという史実(30頁)がある。これからの時代は、福祉、医療、教育、文化が重要(58頁)。人にやさしいまちづくりだ。宮本憲一先生の学派であり、財政学が文化政策や福祉政策を取り上げていく流れを汲み取れる。2013/11/06