出版社内容情報
ヒトは言語遺伝子がもたらした能力によって「人間」となったのではないか。「自我」や「知性」が誕生した謎を探究してゆく。
ヒトは10万年前に出現した言語遺伝子がもたらした能力によって社会的ネットワークを広げ、それができなかったネアンデルタール人は滅亡したのではないか。最新の脳科学を背景にしながら、「ことば」、「コミュニケーション」、そして「自我」と「知性」の誕生を探究してゆく本書は、正高「人間学」の集大成といえよう。
内容説明
ヒトは10万年前に出現した言語遺伝子がもたらした能力によって社会的ネットワークを広げ、「人間」となったのではないか。最新の脳科学を背景にしながら、なぜ「ことば」、そして「自我」と「知性」が誕生したかを明らかにする。
目次
第1章 言語遺伝子の発見
第2章 ことばのルーツとしての音楽
第3章 音楽からことばへ
第4章 教育のはじまり
第5章 意味の生成
第6章 自我の進化
第7章 知性の出現
終章 そしてサルからの脱却
著者等紹介
正高信男[マサタカノブオ]
1954年生まれ。大阪大学人間科学部大学院人間科学研究科博士課程修了。アメリカ国立衛生研究所客員研究員、東京大学理学部助手などを経て、京都大学霊長類研究所教授。専攻は比較行動学。ヒトを含めた霊長類のコミュニケーション、発達、老化など幅広い視点で研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Riko
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図書館で借りた。言語の獲得の過程、化石から言語使用が始まった時期を推測する考え方とか面白い。進化して、複雑なコミュニケーション法を獲得して、かえって分かりあえなくなっていたりとか、色々。2015/04/07
じゃっきー
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割とわかりやすく、面白く読めた。言語の習得が、人間にとって大きな転機だったんだな。可能性が大きく広がったと同時に、自らを束縛することにもなった。2013/04/13
Twin*
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人と動物の違いを把握したいと思い、読み始めた本ですが、人間という生き物が受ける種としての束縛を認識させられる内容でした。 やはり言葉が人間と他の動物とを分ける徹底的なものでした。 私たちの身の回りには体系づけられて存在するのか、存在するものを体系づけているのか分からないものがたくさんあると思いました。 何らかの意味、意図をつけることができる事が人間の種としての特徴です。それは社会において良薬にも劇薬にもなりうるのだと感じました。2013/02/28
湯一郎(ゆいちろ)
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面白い! 言語の起源だけでなく、言語の役割と意味とはなにか、言語を持つことによって認識はどう変わるかなどを数多くの動物実験を使って示してくれる。難しそうな言い回しが多くて最初は読めるかどうか不安だったけど、読み進めると止まらなくなった。何度でも読み返したくなる。2012/10/27
戸塚こだま
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多様な分野の知見から言語の起源が浮かび上がっていく様を再現。なかなかにエキサイティング。2010/01/28