出版社内容情報
刺繍に込められたアイヌの女たちの祈りは母から著者へ,そして娘へと受け継がれていく.伝統の刺繍に取り組み,同化政策の下で見失われてきた民族のアイデンティティと独自の豊かな文化を求め続ける著者のメッセージ.
目次
母の日記をひもとく
アイヌ文様刺繍のこころ
“鳥”のように自由に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
58
2017年366冊め。アイヌ民族に関する研究をまとめた『アイヌ民族史』に自分の写真を無断使用されたことで「肖像権裁判」を起こした著者が指摘する「マイノリティ」という言葉の示すもの。数的少数者ではなく政治的少数者であるという意味を持つ一文が目をひいた。2017/10/24
daya
1
アイヌ刺繍を習いだしてから彼女の作品集に魅了され、その流れでこの本も手にする。和人の研究者がアイヌを人間として尊重をしてこなかったことに声をあげ、裁判を起こした人だけど内容は自分の経験談から思うことを書いている。刺繍のことも書いてあって、刺繍は単なる手法ではなくてそこにアイヌ文化やその世界観そのものが受け継がれていることがわかる。刺繍を学びながら、何度でも読み返したい1冊。2018/02/19