出版社内容情報
心理療法とは? 長年の体験から生み出された画期的概説書.心理療法の科学性,宗教や社会との関係,療法の過程,その教育と技法について興味深くまとめられた本書は,人間の心に関心を抱く人すべての必読の書である.
内容説明
著者が京都大学を退くにあたって、臨床心理学者・心理療法家としての長年の体験とノウハウを懇切・平易にまとめた、画期的な概説書。人間の心に関心を抱くすべての人にとって必読の書。
目次
第1章 心理療法とは何か
第2章 心理療法と現実
第3章 心理療法の科学性
第4章 心理療法と教育
第5章 心理療法と宗教
第6章 心理療法における文化・社会的要因
第7章 心理療法における技法
第8章 心理療法の初期
第9章 心理療法の諸問題
第10章 心理療法の終結
第11章 心理療法家の訓練
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
4
文化長官になって、「心のノート」なんて恐ろしいものを作ってしまったことを除外すれば、この方の本は皆深くて面白いものばかりです。私はちょっと心理的なひっかかりがあり、心理学の本を読むことが多いですが、河合さんの本はいつも感心しながら読んでいます。ユングの深さには敵わないけど、でも深層心理学者としては日本で一番なのではないでしょうか。2013/09/16
清水聖
3
準備中2024/04/14
さあ
2
心理療法とは、並びに心とは、曖昧で難しいものだと改めて思った。恐らく心理療法家を志す人は読むだろうが、そうでない人にも非常に有用であると思われる。2011/02/02
Yoko Oishi
1
心理療法についてかなりわかりやすく解説されている。共感の大切さと距離感の取り方。机上の空論ではまったく役にたたないだけに、常に実戦が必要なんだろうなぁ。心の問題だけに、全く同じなんで有り得ない。大変だけどいつまでも追求し続けられる分野でもあるんだと思う。2013/05/03
Fugusuke
1
いわずと知れた名著、内容はさすがでした。第1章「心理療法とは何か」を授業で読み込みました。印象に残った部分は、『自殺をしたいと考えているクライエントがいて、する勇気がない。だから、ここからの帰途、「交通事故に見せかけて死んでしまおうか」と治療者に言う。治療者はこのクライエントを駅まで送っていくか、送っていかないか。後者の方が心的エネルギーを使う。心理療法家はできる限り心的エネルギーを使うように賭けるように心がける。』というところ。2012/05/08