内容説明
宇宙としてのブックデザイン
戦後日本のグラフィックデザインを牽引したデザイナー、杉浦康平。
彼は写植という新たな技術といかに向きあい、日本語のデザインといかに格闘したのか。
杉浦康平が日本語のレイアウトやブックデザインに与えた決定的な影響を明らかにする。
目次
序 章 ある解体
第1章 杉浦デザインの誕生と写植の革命(1956-1964)
第2章 杉浦タイポグラフィの躍進とカタカナ化する世界(1964-1978)
第3章 写植の起源 石井茂吉と森澤信夫1(1923-1933)
第4章 写植の起源 石井茂吉と森澤信夫2(1933-1945)
第5章 写植と杉浦デザインの深化 石井裕子と中垣信夫(1946-1972)
第6章 ブックデザイナーという発明 杉浦康平と和田誠(1956-1969)
第7章 新書体の時代 中村征宏と写研(1969-2001)
第8章 宇宙としてのブックデザイン 杉浦康平と戸田ツトム(1979-1987)
第9章 「組版」の文化圏 電算写植とCTS(1960-1987)
第10章 写植の終焉と書物の最後の光芒(1987-2001)
終 章 星の本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorgeanalogue
14
杉浦氏のメディアへの深い関心と洞察に改めて驚かされるのはもちろん、日本語の表記、印刷テクノロジーの変化と日本社会、ブックデザインの宇宙的な射程、そのデジタルネットワークによる溶解に至るまで、本書で語られるすべての話題が面白い。周到な取材と自問自答を繰り返しながら進む行論にも説得力がある。私のかつての記述に対しても一部訂正され感謝。この本が現代メディア史の大きな参照点となることは間違いない。ただ物足りなかったと思えるのは、光学についてのもう少し突っ込んだ論と「平版印刷と版下の存在論」とでもいうべき論考かな。2023/07/25
takao
1
ふむ2023/10/17