失われた賃金を求めて

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失われた賃金を求めて

  • ISBN:9784907053475

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内容説明

「女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」
 
『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』で鮮烈な印象を与えたイ・ミンギョン、次は男女の賃金格差に斬り込んだ!男女賃金格差がOECD加盟国中「不動のワースト1位」の韓国の社会事情は、「不動のワースト2位」の日本でも共感必至。賃金差別は存在する!

目次

目次
はじめに 
1.昇進 止まっているエスカレーター
2.考課 「ふりだしに戻る」と「3つ前へ」
3.同一職級 傾いた床 
4.与えられた条件 ハイヒールと砂袋
5.雇用安定性 消えていく女性たち
6.就職 
7.進路選択 
8.達成度評価 
9.資源 
終わり-あるいははじまり
解説 日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ  西口想

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

29
韓国の性別賃金格差の問題について、フェミニズムの知見から分析した本。管理職に占める女性の割合はほとんど日本と同じで、14%。給与格差と家事関連時間の男女差は日本よりすこしだけ開きがあるが、男性扶養者モデルに依拠した性別分業は、結構似ている。入社試験で女性受験者の合格基準点をつりあけて、女性をわざと落とすという例も、日本の医大の入試事件を思い出してしまう。やや驚いたのは、電通の高橋まつりさんの事例が取り上げられていたこと。超過勤務とルッキズムで女性がかなり苦しめられている一例とされていた。勉強になるのでぜひ2022/10/27

ズー

18
男女の賃金格差から広がる、賃金以外の格差や差別。結局そこにつながってくる。昔から比べたら、少しはよくなってきているものの、例え賃金が平等になっても、責任ある役職に女性がついたとして、女であるということだけが理由で、反発する男性もいるだろうし、今の世の中ではほんとに気が遠くなる…。身に覚えがあることも多々あり、そういえば物申したこともあったけど、なら辞めろとか言われたことあったなとか。許してはならないことは決して許さないことを肝に銘じたいものだ。2021/04/12

ヒヨドリスキ

17
男女の賃金格差に付いてどれだけ女が不当な扱いを受けてきたか、あらゆる角度から紐解いている社会学本。韓国の話ですが、ほぼ日本の現状と一緒でとにかく酷い!中でもショックだったのは女性の多い仕事は年々賃金が減らされていてその理由は「なんとなく(!?)」が6割って所。未だに男は家長になるからと下駄を履かせるし、初めはツラい現実に読むのも苦しかったけど根本的な意識が間違っとる!と読んでてどんどん腹が立って仕方なかったわ。そして差別について冷静に事細かに状況を書いた作者の素晴らしさよ。この方の前作も是非読まねば。2022/01/07

二人娘の父

15
個人的にジェンダー平等の実現には、賃金格差の解消・是正が最も根源的な問題だと思っているが、その考えに確信をもたせてくれる内容であった。記述の方法も、昇進からスタートし、最終章の資源まで、順を追って韓国社会における女性労働者の実態が立体的につかめるものになっている。本の中に挟まっていた赤いシートの意味が分かった時には、なんとしても問題理解を深めてほしいという著者らの執念を感じた。前著も考えることが多かったが、著者の目指す方向について強く支持したい。2021/07/13

タカラ~ム

13
女性が賃金交渉をすると「女がそんなに稼いでなにに使うんだ?」と返されるという話を読んで、私は男だけど一瞬で頭の中が「?」であふれた。男だろうが女だろうが等しく働いて成果をあげていれば同じ賃金を得る権利はある。しかし、韓国は(そして日本も)そうではない。両国とも1980年代半ばには男女雇用機会均等法が設けられ、建前上は男女に雇用や賃金の格差はないとされるが現実には歴然とした差別がある。「これは韓国の話だから」と他人事のように話すことはできない。能力に差があるなら仕方ないが性別を差別の理由にしてはいけない。2021/11/28

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