子育ての経済学 - 愛情・お金・育児スタイル

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子育ての経済学 - 愛情・お金・育児スタイル

  • ISBN:9784766427110

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内容説明

▼本邦初の本格的な「教育の経済学」の基本書。
▼最新研究から、日本や欧米各国の子育て・教育の違いとその理由が明らかに!
▼専門知識がなくても読めるようわかりやすく解説。

この数十年、先進国の子育てが全体的に“過保護” へと変わっていったのはなぜか?
社会のグローバル化や経済格差が原因なのか? 日本でも『「学力」の経済学』等で大注目の「教育の経済学」。そのトップクラスの経済学者が豊富な最新データと精緻な実証分析で真理に迫る。
また、最先端の研究を反映しつつも専門知識がなくても読めるよう、わかりやすく解説。

目次

イントロダクション
第1章 育児スタイルと経済学
第2章 ヘリコプター・ペアレントの出現
第3章 世界各国の育児スタイル
第4章 不平等、育児スタイル、子育ての罠
第5章 鞭からニンジンへ――専制型の子育ての終焉
第6章 男子VS女子――ジェンダーの役割の変遷
第7章 出生率と児童労働――大家族から小家族へ
第8章 子育てと階級――英国における貴族階級VS中産階級
第9章 学校制度の組織
第10章 子育ての未来
解説(大垣昌夫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

25
研究内容は荒削りながら、着眼点の鋭さと個性がある一冊。本書のテーマは『経済状況が子供への教育方法をどのように変えるか』というもの。人間自体はそれほど変わらないのに教育の仕方が変わっていくのはなぜかという素朴な疑問に経済の観点からアプローチしており、興味深い話が多い。意外に勤勉さを重要視すると格差が開いていくというのはなんだか面白い(ただし、アンケート数が十分かということや勤勉という表現が各国で一致しているのかという問題点がある)。教育方法を三つのタイプ(専制、指導、迎合)に分けているのも特徴的。2022/07/06

りょうみや

22
経済学者が書いた教育・育児の分析本。単にお金の面だけでなく広い意味での人間の行動選択を扱う。いわゆる経済学的思考の本としてもわかりやすい。どんな国・時代・文化でも親は子の幸せのために利他的に育児をしていることを前提として、親の持つ資源(資金、時間、知識)の制約と、置かれた環境(格差の大きさ、社会の流動性、教育のリターン)の中で、子が将来の社会で生きていけるために最適と思える育児スタイルを選択してきたというもの。各国、各時代の教育スタイルの具体的分析もある。2021/03/03

hana87

11
育児を経済学の観点から見つめ直す1冊。統計・分析解説多めで”学術書”感があるのですが、なんとか乗り越えて読むべき! “どんな親になるかは、その社会の経済的インセンティブで決まる”ことを国別、文化別などいろんな切り口で分析。自分の子育てが何に制約されているのか、何が不安でこの行動をしているのか、色々客観的になれます。 続きはブログで! https://hana-87.jp/2021/03/16/love_money_parenting/2021/03/10

jackbdc

5
国際比較で日本型子育ての特長を把握できる事が意外だった。育児スタイルは社会経済の影響を受けるという仮説の上で、3タイプ①放任、②中間、③専制のスタイルを社会経済事象と比較して分析している。日本は③の割合が極めて低いというが、a)経済格差、b)税の累進性、c)教育リターンの大きさ等との回帰分析の結果が日本の傾向a)小、b)大、c)小を反映しているように見えて興味深かった。しかし疑問も沢山ある。データの正確性はいか程か?とか、家庭以外の要因(教育制度や地域社会)との関係性なども考慮に入れる必要があるだろう。2021/06/26

Inosan

1
ダイアナ・バウムリンドの育児スタイル:■専制型(authoritarian) 親が子供に服従を要求し、厳しくコントロールする。■迎合型(permissive) 自由放任のアプローチを取り、子供に自分で選択させて、自立を奨励する。■指導型(authoritative) 専制方と迎合型の中間。子供の選択に影響与えようとするが、それを命令や懲罰よって行うのではなく、説得し、子供の価値観を形成しようとする。■経済格差、とりわけ不平等の大きさが子育てに与える影響は大きい。当然ながら文化・宗教・時代の影響も受ける。2021/04/06

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