内容説明
絵双紙本屋の「紀の字屋」に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできない性分。江戸の町に不慣れな者たちが辛い目に遇っていると知り、自分の足で調べ上げた切り絵図を作りたいと夢を抱く。折しも主の藤兵衛が病に倒れ、清七郎に店を譲りたいと持ちかけられる……。『藍染袴お匙帖』の作者による、清新な時代小説書き下ろし新シリーズ誕生!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
139
切り絵図屋清七「ふたり静」1巻。清七郎(武士)から清七(町人)へ、切り絵図屋というちょっと変った商売を始める物語、どんな展開になるのか、今回は仲間と切り絵図屋を立ち上げた所まで次巻以降に期待。2015/04/18
やま
76
久しぶりの藤原緋沙子さんの作品が、私の心を温めます。苦労して育った長谷清七郎は、人の心の痛みが分かるやさしい気持ちの持ち主です。その清七郎が江戸の町で颯爽と生きて行く人情物語です。春塵、紅梅坂、ふたり静、の連作中編三話とも良かったです。その中でも小平次が秘かに想う津野屋の一人娘おふくへの想いを書いた「ふたり静」が特によかったです。🌿続く→2022/06/03
むつこ
24
切り絵図ってなんだろうと思ったら地図のことだった。無料で配布されていることが多い便利グッズ、なるほどなぁと感心ばかり。そんな地図の発想と武士と町人の間で揺れる主人公・清七郎の成長のシリーズ1巻。2019/04/02
ぶんぶん
16
【再読】読み終わるまで、一回読んだ事を忘れていて熱中した。 前に読んだのは五年前、すっかり忘れ感想を書きに来て再読を知る。 ほんと、大丈夫かなぁ、健忘症に一歩近づいたみたいだ(笑) 話は、切り絵図づくりを思い立ち仲間と立ち上げるまでを描いている。 登場人物に一癖も二癖もある人物ばかり、いろいろ膨らみもあり面白くなりそうである。 読んだのが一巻だけなのか調べなくては(笑)2017/12/01
calaf
16
地図、、、あまり気にしなくなってしまったけど、作成/維持には非常に多くの労力が必要で、江戸時代にはほとんどなかったはず。それを作り出し、売り出した人物を描いた時代小説シリーズの始まり...なのかな?もちろん、それに絡んでいろいろな人物模様も出てくるようです。2017/04/08