内容説明
曹操、劉備、それに劉備が義兄弟の盃をかわした関羽、張飛とおなじみの英雄豪傑たちは死んだ──動乱の世は、魏、呉、蜀の三国鼎立で、小康を保ってはいる。蜀の智将・諸葛孔明は、まず南方を平定し、後ろをかためたうえで、出師の表をたてまつって魏を討つ。しかし、参謀・馬謖のせいで敗れ、“泣いて馬謖を斬った”。孔明はついに仲秋の五丈原で陣没し、“死せる孔明、生ける仲達を走らす”と後世の語り草を生む。陳史観によるこの異色の『三国志』も本巻をもって完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
39
最終巻にて三国志も終わってしまった😭陳氏の三国志観を堪能しました。吉川版の三国志とは真逆なできで静と動の違いがあった、面白いのは孔明と仲達との間に密約があった解釈にはそのような見方には作者なりの死生観や台湾出身から出ていると思う。この次の三国志は宮城谷昌光か北方謙三あたりに食指しようかな。2023/01/08
金吾
33
○私の好きな吉川英治の三国志と全く違いますが、最後まで一貫しており、面白かったです。ただ蜀はこの状態でよく持ったなあと思いました。2023/02/18
飛鳥栄司@がんサバイバー
20
主要メンバーが総退場で寂しい限り。劉備亡き後の孔明の活躍も、演義と違って武将としては凡将のアレ。ある程度の知恵で乗り切っている感じを醸し出しているものの、孟獲相手の南蛮討伐と司馬懿相手の北伐が八百長でしたでは、盛り上がりに欠けるよね。序盤で暗躍した五斗米道も物語中で大きな役割を果たすこともなく、張魯に至ってはカメオ出演で終了。一大スペクタルな三国志を期待するのであれば演義を読めばいいし、正史ベースがいいけど宮城谷三国志は長いなぁと感じている人向けの静かな三国志でした。2022/08/09
明智紫苑
17
ようやっと読了。以前に比べて読書に対するモチベーションがダダ下がりだが、ブログで感想を書くためにも1から読み直そうかな? 孫権が遠くにいる曹叡や公孫淵相手に悪態をつく場面は笑えるけど、この小説は孔明が亡くなる辺りで終わるので、その後の史実の「笑えない」孫権を見ずに済む。2019/07/10
HaruNuevo
11
陳舜臣三国志、これにて打ち止め。最後の蜀による北伐は、諸葛亮と司馬懿の間で取り決められた八百長であったという独自の解釈。 こういう三国志も面白いけどね、カタルシスは無いわな。 第6巻は、三国志終盤のダイジェストみたいだった。2022/07/23