東アジアの冷戦と植民地主義の継続
- 「戦後日本」を東アジアの中で考えてみる |
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『東アジアの冷戦と国家テロリズム―米日中心の地域秩序の廃絶をめざして』
徐勝【編】 御茶の水書房(2004-12-10出版) ISBN:4275003586
台北、済州島、沖縄、麗水、京都と続けられてきた国際シンポジウム「東アジアの冷戦と国家テロリズム」の総集編ともいうべき論文集。歴史家と当事者、活動者のコラボレーションによる本書の価値は、その内容の重要性ばかりでなく、東アジアにおける新しい対抗的公共圏の創出という点からも高く評価されるべきだ。
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『資料日本占領<1> 天皇制』
山極晃・中村政則【編】、岡田良之助【訳】 大月書店(1990-02-16出版) ISBN:4272501143
象徴天皇制がダワーのいうごとく「日米合作」で作られていった経過が、アメリカ側の主として政府部内文書によって跡づけられている。少々値段は高いが、採録された資料のいずれもが「戦後日本」と「占領」という問題、戦前・戦中から「戦後」に繰り越されたもの、戦争責任、そして天皇制を考える上で興味深い内容をもっている。
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『なぜ書きつづけてきたか
なぜ沈黙してきたか―済州島四・三事件の記憶と文学』
金石範・金時鐘【著】、文京洙【編】 平凡社(2001-11-15出版)
ISBN:4582454267
済州島4.3事件に深い関わりをもつ在日朝鮮人文学者二人による回想対談。植民地時代、占領時代、そして4.3事件、朝鮮戦争と戦後日本を結び合わせて語り出されることばのそれぞれに「戦後日本」という想像空間を揺さぶる「暴力」の記憶が満ちている。
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『台湾/日本―連鎖するコロニアリズム』
森宣雄【著】 インパクト出版会(2001-09-28出版) ISBN:4755401119
「台湾独立派」をめぐる歴史であると同時に、「戦後日本」の中で欠落していた台湾という場所への意識を鋭く問う力作である。国民党の支配に抗議し、日本の入管体制と闘い、ラディカルな問題提起を行なった青年たちがたどった軌跡とは。「台湾は親日的である」というナルシシズムにひたる歴史修正主義をゆさぶる「台湾問題」の所在を明らかにしている。 |
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『東アジア冷戦と韓米日関係』
李鍾元【著】 東京大学出版会(1996-03-21出版) ISBN:4130360868 |
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『冷戦文化論―忘れられた曖昧な戦争の現在性』
丸川哲史【著】 双風舎(2005-03-20出版) ISBN:4902465051
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『継続する植民地主義―ジェンダー/民族/人種/階級』
岩崎稔・大川正彦・中野敏男・李孝徳【編著】 青弓社(2005-02-17出版) ISBN:4787232401 |
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『老斤里から梅香里まで - 駐韓米軍問題解決運動史』
「老斤里から梅香里まで」発刊委員会【編】 キップンチャユ日本事務所[絶版] ISBN:4503145029 |
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朝鮮戦争再考――東アジア冷戦体制を生み出したもの
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『朝鮮戦争の起源―解放と南北分断体制の出現<1><2>』
ブルース・カミングス【著】、鄭敬謨・林哲・加地永都子【訳】
シアレヒム社(影書房)[版元品切] (1989-02出版(1)、1991-04出版(2)) ISBN:4877140883(1)、4877140891(2)
アメリカ政府所蔵の文書を縦横に活用して植民地期から朝鮮戦争に至る朝鮮半島(とくに南半部)の歴史を叙述し、朝鮮戦争研究史に画期的な地平を開いた最重要著作。とくに植民地期に形成された社会経済構造の分析や、解放直後、アメリカ軍政期に存在したさまざまな別の可能性を探求し、読者に大きな刺激を与える。
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| 『朝鮮戦争全史』
和田春樹【著】 岩波書店(2002-02出版) ISBN:4000238094
朝鮮語・中国語・ロシア語・英語・日本語の5ヶ国語を縦横に駆使し、冷戦体制崩壊以後公開された諸文書や最新の研究成果を織り込んだ、文字通り総合的な朝鮮戦争史。著者はここで朝鮮戦争を「東北アジア戦争」と位置づけ、米ソの冷戦政策や南北朝鮮の民族運動、国際共産主義の動向などを立体的に再構成してみせる。
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| 『朝鮮戦争と吹田・枚方事件―戦後史の空白を埋める』
脇田憲一【著】 明石書店(2004-03-20出版) ISBN:475031871X
朝鮮戦争に反対して闘われた反戦闘争、枚方事件に一少年として参加した著者が50年を経て事件の実相に迫る。朝鮮人と日本人とがどのような地域空間を共有し、一時的にであれ同じ「正義」の側に立って闘ったか、という記憶が著者執念の探求により蘇生させられる。事件以後の「生きざま」は読む者の胸を打たずにはおかない。
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| 『史実で語る朝鮮戦争協力の全容』
山崎静雄【著】 本の泉社(1998-11-25出版) ISBN:4880231789
主として自治体史を博捜しながら、朝鮮戦争下の日本がどのように「戦時体制」にあったかを明らかにした力作。占領下での米軍基地や基地周辺自治体の動きもよくわかり、また困難な状況の中で戦争に反対した労働者の動きも追っている。 |
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| 『朝鮮の虐殺―20世紀の野蛮から訣別するための現場報告書』
呉連鎬【著】、大畑龍次・大畑正姫【訳】 太田出版(2001-01-01出版) ISBN:4872335597 |
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| 『大阪で闘った朝鮮戦争―吹田枚方事件の青春群像』
西村秀樹【著】 岩波書店(2004-06-25出版) ISBN:400022378X |
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