内容説明
大阪ではフグとひれ酒、熊本では桜納豆に心奪われ、三社祭で賑わう浅草では寿司・天ぷら・鰻の三大名物を制覇。復興さなかの仙台ではなじみの店の再開に安堵し杯を重ね、美味なる中華麺を求めて訪れた神戸では意外な名店に遭遇。山陰の城下町・松江では古きよきバーで穏やかな時間をすごす。自由気ままを満喫したら、あとは宿に帰るだけ。これぞひとり旅の醍醐味。8都市をめぐるシリーズ第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
51
今、日本酒の消費量はピークの1/3に落ちているらしい。反面、品質はかってないほど高水準になっているようだ。現に評価の高い蔵元の酒を飲むと信じ難いほど旨い。ただそんな酒は量販店での入手はまず無理。そんな評判の日本酒を情報を頼りに、探して買って家で呑む。そんなのを自分の趣味の一つとしている。(以上は本書と関係ない)この本には全国の居酒屋が多く記載されている。旅に出てそんな店で地元の酒と肴を味わうのが理想。だが金と時間には制約があり、この本を肴に家で一杯を満足とする。今夜もおいしくいただきます。2015/11/26
ユメ
41
ぶらり旅第3弾の旅先は、大阪、熊本、伊勢、浅草、仙台、神戸、松江、米子。中でも私が惹かれたのは熊本だ。寡聞にして熊本城ぐらいしか知らなかったのだが、熊本の街には美しい建築物がたくさんあるのだね。古くからの街並みを保存するのに尽力した方々の心意気からも熊本の文化水準の高さが伺え、それだけでこの地を旅したくなる。そして、震災後深い葛藤の中にいた太田さんがとうとう東北を旅先に選んだことも感慨深い。ぶらり旅を読んでいると、故郷ではないのに故郷のような温かさを感じる場所が日本のあちこちに増えていくような感覚になる。2018/10/15
しょーくん@本棚再編中
33
★★★★★★☆☆☆☆飲み歩き旅って、贅沢で憧れますねぇ。今作も楽しませてもらいました。 2017/05/27
Machida Hiroshi
11
本書は、居酒屋探訪家を自認する著者が、日本各地を一人で旅して、旅先の街で散歩したり、食事したりした後、夜は酒場を新規開拓したり馴染の店を訪れたりする様子をユーモアのある文体で書いた酒紀行です。うな丼などの丼物は「わしわし」と食べ、ラーメンなどの汁物は一口すすって「アー」と言い、日本酒はお猪口で「つぃー」といくなど、定型の表現になっていますが、一定の語り口で、周りの景色が変わっていくので、むしろ著者の五感を通して著者と共に旅をしているようで、読み慣れると良いものです。僕も出ている街を再訪したくなりました。 2017/02/19
Kenji Hori
8
太田さんが、日本全国の街をめぐり、日常を過ごす。朝は喫茶店でコーヒーを飲みながら新聞を読み、昼は土地の名物を食し、そして夜はもちろん酒。今回は大阪、熊本、伊勢、浅草、仙台、神戸、松江、米子。米子以外は行ったことがあり、熊本、浅草、神戸、松江では酒も飲んだ。でも、随分昔のことであり、太田さんみたいに、ゆっくり街を歩き、ゆっくり酒を飲みたいものだ。今回1番良かったのは、伊勢。「旅の良さは居酒屋で見る七時のニュース」。うらやましい。2017/10/21