内容説明
大音量のロックが鳴り響く真昼の映画館の2階で、銀座の高級クラブ「ムアン」のママ・和子が殺された。それを追うように山梨県東部の山林で縊死した東洋商産社長の高柳秀夫は、和子の本当のパトロンなのか? 東洋商産を倒産へ追いやったものの正体は? 事件を追う井川たちが真相に近づくにつれ、巨大な黒い手が襲いかかる。累々たる屍の果てに見えてくる風景は? 時代風俗をたくみに織り込んで、知られざる聖域・銀行と財界の腐食をリアルに描いた傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
79
10年以上前にリアル書店で購入した本。 殺されまくりましたね。原田こと山越はなんとなく殺されるんじゃないかと思っていましたが…、奥さんまで…。潜入捜査ははらはらものです。ハロペリドール…。私もうつ病患者で障碍者手帳持っているのですが…、この薬品名は初耳でした。ハロペリドールを調べるのにネット検索じゃなく本で調べるところに時代を感じます。2024/03/09
jima
13
銀行と財界の腐敗を描く。松本清張、いいなぁ。2023/04/05
だい
7
主人公が変わりながらの謎解きの構成は、斬新で奇抜。最後のエロティクな描写も、情事を得意とする作家ならではで、目を見張る。これは35年前に書かれた物語だが、新鮮さを失わない文体はとても力強くて熱い。2018/11/06
M
6
この装丁、しっくり。 タイトルは、著者が夜の銀座ネオン街をイメージしたものだそう。 利権にまみれた愛憎の復讐劇です。 著者の得意とするところ! 2011/09/07
紫の煙
4
文体が客観的で簡潔。読みやすい。いかにも社会派といった 内容。銀座クラブを舞台に、銀行、政治家、ジャーナリストの 登場と時代を感じさせる部分も。 2010/04/21
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