内容説明
狂躁の季節が来た。長州藩はすでに過激派の高杉晋作をすら乗り越え、藩ぐるみで暴走を重ねてゆく。元治元(1864)年七月に京へ武力乱入するが会津藩勢らに敗北、八月には英仏米蘭の四カ国艦隊と戦い惨敗……そして反動がくる。幕府は長州征伐を決意し、その重圧で藩には佐幕政権が成立する。が、高杉は屈せず、密かに反撃の機会を窺っていた。
感想・レビュー
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ehirano1
188
#前代未聞(将軍に沿道から、「よっ!征夷大将軍!」と言ってしまうなど)を事も無げに連発する晋作www。#晋作はカオス理論を知っていたのか?#にわかで出家する晋作。#晋作よりも長州藩自体が先に発狂し御所で壮大にやらかす。#長州藩は思想団体(≒虚構/狂気の団体)、とのこと。#著者がそうせい公(=毛利公)にブチギレて「バカ殿」呼ばわり(どうやら、長州藩攘夷派の狂気は毛利公がなんでもかんでも「そうせい!」で片づけたから、とのこと)。#「おうの」登場で、そろそろかぁ・・・。2025/05/03
ゴンゾウ@新潮部
114
蛤御門の変から朝敵とされ、長州征伐、四カ国艦隊との戦い。長州の苦難が続くたびに表舞台に引きずり出される高杉晋作。彼の思想が先を行き過ぎ長州を追われてしまう。逃避の中で改めて長州から革命を起こさねば国を守ることができないことに気づく。藩主をこよなく敬いながらも長州を滅ぼさずして日本は守れないと考えた天才革命家。まだまだ目が離せない。2018/11/18
やっちゃん
110
うーん。ここまでの高杉晋作は見せ場が講和会議くらい。気まぐれで藩の身分に甘えた部分も多い風俗好きな男。よほど井上聞多の方が‥ここからの活躍に期待。2023/11/30
金吾
107
○激動する長州藩が伝わります。内部抗争は激化していくと陰惨な話になりますが、この当時の長州藩にもこれが当てはまると思いました。高杉晋作の下関談判の部分と井上馨の活躍部分は好きな場面です。2022/10/14
優希
102
高杉さんは時代の寵児としか言えないでしょう。かなり過激に動こうとする姿が伺えます。それを飲み込むように、長州藩の暴走も激しいものがありますが。長州征伐を企み始めた幕府、重圧で生じた佐幕政権。しかし、高杉さんはそれに屈しないのですね。己の意思を貫こうとしているようです。2018/11/15