出版社内容情報
主人公・小林湊人の成長を通してサイクルロードレースの世界を熱く描く、エンタメ王道ど真ん中! 迫真のの青春スポーツ小説!!
内容説明
サイクルロードレーサーの小林湊人が所属するエルソレイユ仙台に、梶山浩介が加入することになった。梶山は、16年前にヨーロッパに渡り、ツール・ド・フランスにも8回出場、世界のトップレベルで戦ってきたレジェンドだ。今季限りでの引退も囁かれていた梶山が、なぜ日本の、しかも新参チームに…。図抜けた実力を持つ梶山の加入でチームは、そして期待されながらもどこか抜けたところのある湊人は、どう変わっていくのか?
著者等紹介
熊谷達也[クマガイタツヤ]
1958年宮城県生まれ。東京電機大学理工学部卒。中学校教員、保険代理店業を経て、’97年『ウエンカムイの爪』で第10回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。2000年『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞を受賞。’04年『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を史上初のダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
113
自転車ロードレースのプロチームに所属する湊人が主人公。陸上競技をやっていたが、怪我のリハビリに勧められた自転車に転向した新人。サクリファイスシリーズと比べられることも多いと思うが、ロードレースの仕組み、戦略、実は団体戦の要素が強いことなどわかりやすく説明し、きつい登りが続くところなどこちらが息切れしそう。サクリファイスのストイックなところがあるチカに比べおおらかでちょっと能天気な湊人は愛すべき存在。仲間、先輩に恵まれ、何しろまだ始めたばかり、のびしろは大きく期待できる。応援したくなる。2022/04/05
のぶ
109
自転車のロードレースの話。このジャンルには近藤史恵さんの「サクリファイス」他のチカのシリーズがあるが、本作も面白く楽しむ事ができた。主人公、小林湊人が所属するのは、エルソレイユ仙台というチーム。そこにツール・ド・フランスにも出場したレジェンド・梶山浩介が加入することになった。そこでまず、ツールドとちぎという大会に出場することになる。チームプレーなので、いろいろな駆け引きや作戦があるが、その辺の描写はなされていたし。梶山が小林に及ぼす影響も良く出ていたように感じた。どっぷり自転車に浸ったエンタメ小説。2019/03/08
みかん🍊
104
自転車レースは近藤史恵さんの本を読んだこと事があるくらいであまり知識がないが、がむしゃらに早く走ればいいという訳でななくチーム戦で頭脳戦略がこんなに必要なスポーツなんですね、チームが勝つためにアシストに回ったりサポートしたり自分の成績よりチームの成績重視というところは野球に似ているのかも、まだプロ3年目の湊人の成長と海外で活躍していたあこがれの先輩梶山との交流、野球で言うとイチローとかの存在なのかな、チームメンバーに嫌な奴がいなくて爽やかな読後感でした。2019/06/13
きむこ
95
再読。熊谷さんご自身が自転車乗りでチームのGMを務められているそうです。サクリファイスと比べられがちですが、やはり大きな差は自らの経験があるので圧倒的に自転車に乗っている時の状況描写は迫力があります。元陸上選手で怪我のリハビリで大学三回生の時に自転車に出会ったミナトの成長物語。天然で自分の実力が全くわかっていなくて、その未知数な彼の才能に気づいた周りの人達が彼を育てて行こうとしている発展途上状態。これから世界へ?とても楽しみ。そろそろ続編が出ないかなぁ😄2020/10/02
きむこ
90
またまた再読。熊谷さんの自転車ロードレースを題材にした作品。自らのロードレースチームを持っているくらい自転車を愛している作者だからこそ、丁寧なルールや日本のレースの説明があって初心者でもわかりやすい。特にキツイ状況の選手の心理状態や肉体的苦痛がリアル。サクリファイスシリーズと比較されることが多いが、ネガティブ思考でザ・アシストのチカと比較して、圧倒的に天然でまだまだ伸びしろ十分のピチピチのミナトの存在は眩しい。サクリファイスはしばらく続編が出そうにないからこちらに期待!★52021/08/13