内容説明
女王卑弥呼の都、邪馬台国はどこにあったか?は、日本人を夢中にさせる古代のロマンの一つだ。江戸時代以来、九州説と近畿説が対峙して論争を繰りひろげてきたが、2009年、奈良県纒向遺跡での大型掘立柱建物群の発見により、近畿説が大いに注目されるところとなった。だがまだ決着はつかない。それはなぜか。所在地、卑弥呼の館・鏡・墓など、九州説、近畿説それぞれの立脚点だけでなく、どこが弱点かも、第一線の研究者らがきちんと提示、文献・考古両分野から争点・今後の課題をわかりやすく整理する。弥生時代から古墳時代への転換期、日本の古代国家成立までを視野に入れた研究の「いま」が見えてくる。
目次
いま、なぜ邪馬台国か
第1章 邪馬台国研究史をたどる
第2章 近畿説はありえない
第3章 「邪馬台国九州説はありえない」か
第4章 東遷説はありえない
第5章 考古学だけでは不十分
第6章 討論 いま、なぜ邪馬台国か?
第7章 纒向遺跡でいま、何が言えるのか―居館域の調査から
今後の邪馬台国研究の課題と展望―シンポジウムを終えて
著者等紹介
石野博信[イシノヒロノブ]
1933年宮城県生まれ。兵庫県立考古博物館館長・香芝市二上山博物館長。専門は古墳の出現過程、住居史
高島忠平[タカシマチュウヘイ]
1939年福岡県生まれ。旭学園理事長。吉野ヶ里遺跡の発掘調査・整備保存を手がける
西谷正[ニシタニタダシ]
1938年大阪府生まれ。九州歴史資料館長。糸島市立伊都国歴史博物館名誉館長・九州大学名誉教授。専門は東アジア考古学
吉村武彦[ヨシムラタケヒコ]
1945年朝鮮大邱生まれ。京都・大阪育ち。明治大学文学部教授。専門は日本列島の古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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