小 池 昌 代 選 詩人
1959年、東京生まれ。 詩集に、『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『夜明け前十分』、『雨男、山男、豆をひく男』、現代詩文庫『小池昌代詩集』など。
エッセイ集に、『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)。
本年、小説「木を取る人」「旗」を「群像」に発表。6月には、短編集『感光生活』(筑摩書房)が刊行された。
このほか、書評、絵本の翻訳などを手がける。 |
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| 『パウル・ツェラン詩集』
パウル・ツェラ−ン・飯吉光夫 著/思潮社 はじめてツェランを読んだとき、ことばという言葉が、骨折しているように感じたものでした。ユダヤ系ドイツ人の家庭に生まれ、両親をナチス収容所で失いました。
飯吉光夫氏の翻訳がいいです。詩の痛ましさを、反射板のように、日本語のなかに照らし出しています。 |
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| 『1999(いちきゅうきゅうきゅう)』
田村隆一 著/集英社 田村隆一の生前最後の詩集。手に取ってみて下さい。厚み、おもさ、装丁も、あっ、詩集だ、という一冊でしょう。どの行も、エッセイのように
さらり と書いてあるのに、しみてきます。いい詩集ですよ! "視力が肉眼と化したとき物は心に生れ変る"
肉眼で物を見るむずかしさとおののき そしてよろこびを教えられる一冊…。 |
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| 『あけがたにくる人よ』
永瀬清子 著/思潮社 女・母・働き手・詩人…そのすべてを生きた永瀬清子。この、なつかしく深い井戸から汲みあげられた詩のことばは、私たちを深くはげまし、抱擁する。強じんでやわらかい、すばらしい詩集です。 ててっぽっぽうの声のする方から
私の所へしずかにくる人よ 足音もなくて何しにくる人よ 涙流させにだけくる人よ… |
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| 『夜明け前十分』
小池昌代 著/思潮社 3年前に出した詩集なのです。今、読み返してみました。タイトルどおり、十分くらいしかかかりません。で、読み終わったあと、少しうれしかった。どこかで誰かが同じように少し、うれしくなってくれるといいなあ。うれしい、というのは、これらの詩を書いたコイケマサヨさんが地味でもへたでも売れなくても詩を求めていることだけははっきり信じられたからです。 |
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| 『衣更着信詩集(現代詩文庫)』
衣更着信 著/思潮社 なにはともあれ、まず「孤独な泳ぎ手」を読みなされ。ほれますよ。でも詩人はもう、いません。いい詩を書いてくれてありがとう! |
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| 『ディキンソン詩集』
エミリ−・エリザベス・ディキンスン/亀井俊介 岩波書店 対訳もうれしいです。でも日本語だけでも充分、立ってる。ダイアモンドですね、ディキンソンは。痛いっ! |
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| 『ソナチネの木』
岸田衿子 著/青土社 機知とやんちゃさとはかなさと。
こんな美しい4行詩は、もう誰にも書けないでしょう。著者には幻のすばらしい第一詩集「忘れた秋」っていうのがあります。でももうどこにもありませーん。 |
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『花の木の椅子』 山本沖子 著/弥生書房 まざりものなしの詩の原点。いいなあ。 |
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『終わりと始まり』
ヴィスワヴァ・シンボルスカ・沼野充義 著/未知谷 読むしかない。 |
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『アイヌ神謡集』
知里幸恵 /岩波書店 はるかな詩心。謡い継がれてきたユーカラの世界。"銀の滴降る降るまわりに…"
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『イタリアの詩人たち』 須賀敦子/青土社 須賀さんの本の中では私はこれが一番すきです。
まあとにかく読んでくれっ!熱いそして静かな名著。 |
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『詩篇アマータイム』 松本圭二/思潮社 (知的に)大興奮しますから落ち着いて読んでね。レッツゴー! |
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