内容説明
同じ“貴種”である隣国の領主から急襲を受け、自らの命運を悟り、城を破壊し、死を選んだシェミハザ伯爵。その嗣子イオアンは、侍者で人間の少年ラウルとともに、襲爵の許可を上王から得るため、旅立つ。追っ手から逃れる途中、元僧侶で戦士のハイドリヒや異国アルビオンから海を渡ってきた“貴種”の娘アイーシャとその同伴者である人間の娘シジマと知り合い、数々の苦難を助けられる。そして、神聖教会の“聖山”をかかえる都へ辿り着いたふたりに、新たな災厄が…。“貴種”と呼ばれる吸血鬼が支配する世界。少年少女たちは、自らの運命に抗い、未来を切り拓く。絶好調冒険譚、第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
27
ラウルとイオアンはまだ、自分で身を守ることも満足にできないのに好奇心で単身、敵地に入るようなことばかりして何だかなぁ・・・・。そしてハイドリヒの触れられない秘密に大変な時に変なタイミングで切り込むアイシャーにも呆然。新聖教皇が「自分は特別である」ことを嫌悪しながらも実は笠に着ている、如何にも「自分だけが可哀想だ」と思い込んでいる糞餓鬼なのにもウンザリ。却って若いのに状況を把握するシジマと気のいいラぺ氏、核心を突いたことをいうハイドリヒが救いでした。どちらかというと主人公組よりも大人組の話が切実に読みたい。2013/05/10
RIN
17
イオアンとラウルの孤独な旅もようやく仲間らしきものが増えてきて楽しいロードムービーになってきた(笑)。篠田さんの物語を紡ぎだす力は本当にすごい。まだまだ先は長い道のりだがちびちびと楽しみながら読み進んでいきたい。2019/05/06
しましまこ
16
お約束としても、仔犬組の罠嵌まり放題にイライラ。女子チームもっと活躍してくれんかな。2019/09/11
Lumi
14
超面白いと思う。怪しくも魅力ある新キャラが出てきたり・・・。 ラウルとイオアンも少しずつ成長してるのがいいですね。 やっぱり吸血鬼ものは読んでいてわくわくします。 外伝もまた違ったかんじで面白いし、本編とどう繋がってくるのか気になります。 4・5巻を早く買わなければ!2017/09/21
ちゃちゃ
11
相変わらずな二人。まあ,ほんの少しずつ成長しているのであろう。そして,アイーシャ様たちが登場するとホッとしてしまいます。心配だから,ずっとついていてあげたらいいのに。活躍は次巻へお預けかぁ・・・。それにしても,カバーの「毒蛇の鱗が美しいからといって,牙も抜かずに首に巻くようなものだろうが」で,厭な予感はしていたのですが,それ以上の悪役ぶり・・・。彼のこれからの暗躍ぶりも見逃せません。2014/01/25