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内容説明
カロールメン国に暮らす漁師の子シャスタは、自分が奴隷として売られることを知り、ナルニア出身の〈もの言う馬〉ブリーとともに北を目指す。思いがけず、もう一組の道連れを得たのも束の間、旅は新たな使命を帯びることになって……。三つの国にまたがる少年の数奇な冒険を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
77
ライオンの創世に於ても別世界からの借り物に過ぎず、魔女の氷の世界の闘いに際しても彼の四兄弟以外姿を見せなかった人間達が、ここでは中世の現実世界のように登場するので、舞台は同じでもまるで違う世界観の物語を読んでいる感じがする。そのうえ当初から出自へのこだわりだろうか、主要人物は皆が王族と云うのには馴染めないが、これはお伽噺の常と云うものであろう。めでたしめでたし◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/3348782018/10/08
Die-Go
54
何年も寝かせての初読。表現はわかりやすく、もしかしたら、瀬田訳よりも読みやすいかもしれない。しかし、やはり瀬田訳の高尚さにはかなわない気がする。また、やはり挿し絵の問題はここでも露呈。幼すぎるのかな。2023/01/28
ユメ
48
シャスタという少年の成長譚であり、初めてナルニア国の国境の外が描かれた作品でもある。ナルニアの南にはアーケン国、その南にカロールメン国と、頭の中でナルニアの世界の地図が出来上がり、わくわくさせられた。シャスタが旅を共にする男装した貴族の娘アラヴィス、〈もの言う馬〉ブリーといったキャラクターたちが魅力的。また、アスランの存在が今作も物語の行く末を導いている。悪に裁きを下すアスランはキリスト教の神を思わせるが、その裁きの手法には英国文学らしいユーモアも感じられた。心躍るファンタジーの大団円には幸せな気持ちに。2017/04/03
hirune
45
【Audible】ナルニア国は小国だったんですね!かの世界でもナルニア国はアスランに加護され もの言う動物のいる神秘的な国で、友好国があり また邪悪な大国があり、ピーターたち王や女王は楽しいばかりではなく結構大変そう。赤ん坊の時北から攫われた少年ともの言う馬二頭と道連れになった少女の北へ逃げる冒険譚。ハラハラドキドキ、楽しめました。それとなく導き 危機には助けてくれるアスラン、今回も格好良いです?2017/11/16
花乃雪音
27
意訳すると『しゃべる馬とツレの男の子』というタイトルになるがナルニア生まれの馬が主役ではなく(主役クラスではあるが)男の子が主役である。本作は現実世界が話に出てこないため「行きて帰りし物語」ではなく「失われたものを取り戻す物語」である。『ナルニア国物語』シリーズを通さずとも本書のみで楽しめる反面、中東をモチーフにしているカロールメンの王子のひとりラバダシュの扱いに今のご時世では本書のみで生き残るのは難しく思える。2020/10/19