内容説明
日本近代文学を代表する大長編小説を一冊分にダイジェスト。各章にあらすじ、段落ごとに小見出しをつけ、中・高校生でも読みとおせるスタイルに工夫。関連する歴史や制度・事件などのコラム一六編も掲載。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いくっち@読書リハビリ中
5
「木曽路はすべて山の中である。」と名文で始まる『夜明け前』をダイジェストで読んでみた。藤村の父をモデルに書かれたこの本は文庫本で一部二部それぞれ上下巻4冊におよび、四百字詰め原稿用紙二千五百枚という膨大な量の大長編小説である。木曽の山から見えた時代の夜明け(幕末から明治)は京都や江戸を舞台にした小説では味わえないものがありました。2014/09/03
ぷるぷる
1
島崎藤村の本は遠い昔に幾つか読んだ気がするが「夜明け前」は実は存在自体よく知らなかった。 昭和に入ってからの文学はあんまり学校とかで教えてくれないんだよね。 そうした古典作品は中学生くらいまではよく読んだ…内容はよく覚えてないけど。 で高校生くらいになると現代作家になっちゃうから読みこぼし的作家や作品は結構でてくる。 但し日本文学の傑作の一つという評価はいつの頃からか耳に届くわけで「いつか読もう」という作品がでてくる「夜明け前」は私にとってそんな作品。 本来は1部、2部それぞれ上下巻があるような大作。2009/06/04
残心
0
文庫本で全4巻になるものをダイジェストにした本書をさらにななめ読みした人間が、偉そうに言えることは何もない。少しだけ言わせてもらうと、明治維新に関してはいろいろな見方があり、「夜明け前」は作者の父の経験を基にした話のようで、ある庶民から見た維新が描かれている。薩長中心に成された明治維新については、さまざまな意見があるだろう。しかし外敵が迫った中で成すべき改革の必要性は否定できない。しかし江戸は間違いなく良い時代だったと考えてます。2016/02/18