内容説明
家族で食卓を囲んでいたら、突然、テレビ局からの電話。法王のクリスマス・メッセージが英語でなくイタリア語で送られてきた! 通訳はいないのに、オンエアまであと20分! 電話で必死に音声を聞き、訳した紙を持って6歳の息子がFAXまで走る…聖夜の椿事を始め、最強のイタリア語同時通訳が明かすエピソード満載。地方名門女子校の優等生がシモネタ好きの妖艶な(?)イタリア語通訳になるまでのストーリーと、著者をシモネッタと名づけた米原万里の名解説も収録。
目次
イタリア語通訳奮闘記(通訳はその言語の文化に同化する;通訳すごろく ほか)
私が出会った人たち(ネオレアリズモの息子マッシモ・トロイージ;強気な女王様ジーナ・ロロブリジダ ほか)
シモネッタ以前(青雲の志;学園生活 ほか)
通訳ア・ラ・カルト(発展途上通訳の反省帳;同時通訳デビュー ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
89
セクシーダイナマイトなイタリア語通訳者のライトなエッセイ。と、見せかけて下ネタの文体が硬い。根が真面目で崩れた生き方をしたことが無い人ではと思いつつ読む。後半で明らかになるが、ノートルダム清心を主席で卒業。物凄く真面目な努力家で勉強家である。海外で生活したことはなく、ひたすら努力でイタリア語トップ通訳者となったお仕事エッセイとして読み応えがあった。2021/05/02
たまきら
23
あはははは!笑いっぱなしでした。「嘘つきは通訳の始まり」とか大うけです。ホント、西洋圏はいきなりラテン語入れたり自分のバックグラウンド(ゲール語とか)のフレーズを使ったりするから同時通訳の人は肝が据わっていないとやっとれんわ。自分の日本でできたイタリア人友は北部の真面目な人たちが多いので、ナポリのノリには受けました。そういえばアメリカに移民するのは南部の貧困と無職に耐えかねた人たちだったなあ。シチリアの人多かったなあ。どこの文化も知るって本当に面白いなあ!2017/04/10
tetuneco
22
輝いて生きる楽しさを見た。 2013/03/31
shoko
17
通訳本の露伊比較するのも面白いかなと思って米原万里著作に続いて読んでみた。『不実な…』は通訳の仕事、言葉や異文化交流考察が主軸なのに対し、本書はイタリア文化を炙り出すことの比重が高くなっている。ミヒャエル・エンデが「生の軽やかさ」を絶賛していたことからイタリアに興味を持ち始めた私には、嬉しい内容!やっぱり社会的規範(他人軸)よりも、自分にとっての人生の楽しさ(自分軸)を重視して、そのために臨機応変に立ち回ること、またそういう行動に対して社会が一定の理解を示していること、が「生の軽やかさ」の秘訣なのかな?2023/05/17
まるる
15
久しぶりにエッセイを読んだ。田丸さんて素敵な女性だなぁと改めて思う。私はイタリアが大好きで、初めての海外旅行はローマ!って決めてて、行くからにはイタリア語を勉強しよう!と頑張って、旅行で困らない程度には習得できてたけど(今は大分忘れてる)もしペラペラになれたとしても、度胸も知識もない私には、通訳なんてとても無理だわ~と実感させられた。2013/02/06