内容説明
貧困と圧制、そして戦火に苦しむ大衆の生々しい生活から創出され、再び生活に還元される、根底からの改革をもたらす芸術を―。陶行知の芸術教育とはあくまで、生活に密着した大衆教育の一環であった。デューイの民主主義教育思想と陽明学の「知行合一」の精神との結合を通じて、生活教育・民主教育の実践に邁進し、文化大革命時の教条的批判の後、いま蘇る巨人の全体像。中国人研究者による充実のモノグラフィー。
目次
第1部 陶行知による民主主義的教育改革論―デューイ教育思想の受容と変容の意味
デューイの民主主義教育論と中国教育問題
陶行知の民主主義教育論と彼の見た中国の現実情況
デューイ、陶行知の中国民主主義的教育思想の本質
第2部 陶行知の芸術教育論―生活の中の芸術(「生活即教育」―陶行知の「教学做合一」における「做」の概念;偽知識の批判―陶行知の「真知識」論;陶行知における生活教育と芸術の結合;新教育一般における芸術の位置づけ―「美育」の発見;陶行知の生活教育における芸術;現代中国における陶行知の教育思想の応用)
著者等紹介
李燕[リエン]
1953年北京生まれ。1981年来日。創価大学教育学部卒。東京学芸大学大学院教育学研究科で教育学修士号取得。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科博士課程単位修了。創価大学文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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