内容説明
現地に行かなければ何も始まらない。アフガニスタンの農業復興を夢み、志半ばで凶弾に斃れた一青年の遺した、深きこころ。
目次
現地に行かねば始まらない、現地の人達と一緒に成長していきたい―伊藤和也さんがペシャワール会に提出したワーカー志望動機の文章
用水路への期待は想像以上です
地元農家の信用を大切にしながら
子供たちとの触れあいも大切な時間です―諷刺漫画事件を憂いつつ
サツマイモとお茶の加工法を研究しています
風土、嗜好の制約に逆らわず―二〇〇七年度農業計画報告
地域に広がり始めた試験農場の成果―二〇〇七年度農業計画報告
たくましくなった和也、今はアフガニスタンの星に
我が子伊藤和也
無題〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
relaxopenenjoy
5
伊藤さんの拉致殺害事件(2008年)知らなかった。ペシャワール会も名は聞いたことがあれど、どういう活動をしている団体かちゃんと理解していなかったので、興味深く読んだ。豊富な写真と、家族や仲間の日本人ワーカOBや現地スタッフなどからの追悼文。故人のお人柄が偲ばれる。表紙や巻頭の子供たちの笑顔が印象的だった。先日逝去された医師の中村氏の姿もある。難民キャンプの光景を見て、カネやカミに走らざるをえないのも納得、とのNPO事務局長の言葉。何か私にできることはあるだろうかと考えてしまう。 2021/01/27
後藤良平
2
2008年(平成20年)8月、伊藤さんがテロリストの凶弾に倒れたとき、私は北海道の白糠で現場と格闘していた。そのためか、事件の記憶がない。しかし、この本中に出てくるように、当時はアフガニスタンというのはボランティアをも襲うとんでもない国民であり、なんでそんな危ないところに行くのだという論調があったという。最近かなりの冊数を読んだ中村哲さんの本やこの本を読むと、そうした考え方がいかに短絡的だったのかがよく分かる。彼の撮った写真は美しい。もっとそのまま現地で活躍して欲しかった。年間No.44榴岡図書館2021/04/05
shinome
2
子供達に囲まれて、念願の農業に関する仕事を遂行する微笑ましい写真たち。穏やかで実直で。日本人スタッフや現地のみなさんの雰囲気が伝わります。 知らずに居なくてよかった。本作を読めてよかった。お母さんの手紙には泣きながら読みました。「何かあればアフガンの地に埋めてくれ」志の高さに圧倒されます。 中村医師の手紙もあります。まさか約10年後に彼も居なくなるとは…なんとも言葉が出ません。2019/12/13
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