内容説明
グローバル化の只中、知の創造・伝達の中核をなす研究大学の質は今や国家の存亡さえ左右する。資金・人材・伝統の制約等、多くの障害に抗して世界水準の研究大学構築に挑むアジア・中南米諸国の姿は、21世紀初頭の世界的状況を顕著に反映している。新興国中で研究大学創設に先行している日本だが、果たして革新する力を持続できるか。すでに眼前の挑戦者である諸国の実態を活写した本書は、我々を驚愕させる必見の書。原著に加え、特に日本に関する一章を増補。
目次
第1部 新興国家の大学戦略と日本(知識と開発の帝国;アジアとラテン・アメリカにおける高等教育政策と研究大学;日本の「世界水準大学」政策の行方)
第2部 世界水準をめざすアジア・中南米のトップ大学(中国における旗艦大学と経済改革;中国の研究大学:多様化、分類、世界水準の地位へ;知識の受け売りを超えて:インドにおける研究重点大学の展望;世界水準のインド研究大学への展望;周縁国家における世界水準大学の創出:ソウル大学;ブラジルの一流大学:当初理念と現行目標;ブラジルの研究型大学;学問の最高峰機関:国家建設大学としてのメキシコ国立自治大学;メキシコにおける研究大学の役割:パラダイムの変化?;チリに研究大学はあるか;中所得国における研究大学構築への挑戦:ブエノスアアイレス大学のケース)
著者等紹介
アルトバック,フィリップ・G.[アルトバック,フィリップG.] [Altbach,Philip G.]
J.ドナルド・モーナンSJ教授(高等教育)及び、ボストン・カレッジ国際高等教育センター長。2005年から2006年までフルブライト新世紀奨学金プログラム・ディレクター
バラン,ホルヘ[バラン,ホルヘ] [Bal´an,Jorge]
フォード財団(ニューヨーク)高等教育プログラム・オフィサーとして高等教育研究・政策を中心とした国内外のポートフォリオを管轄。ニューヨーク大学兼任教授。ブエノスアイレス大学で1986年から1997年まで講座主任として教鞭を執ったほか、オックスフォード大学、シカゴ大学、テキサス大学オースティン校、およびダートマス大学で客員教授職を歴任。20年にわたり、ブエノスアイレスにある社会科学分野の民間非営利研究機関のCEDES上級スタッフメンバーとディレクターを務め、高等教育政策課題に関するに研究チームを構築
米澤彰純[ヨネザワアキヨシ]
1965年生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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