内容説明
生きていることを噛みしめられますか。小説の大きな役割に挑む著者の覚醒の物語二編。
著者等紹介
白石一文[シライシカズフミ]
1958年福岡県生まれ。2000年のデビュー作『一瞬の光』から注目を集めるようになる。読む者に緊張を強いる文章で作品世界に引き込みながら、人間が生きることの大切さを鋭く突き詰める。読者の内面を見つめ直させる力に溢れた2002年8月刊行の『僕のなかの壊れていない部分』はロング・セラーに。2003年7月に、二十一年間勤めた出版社を退社して作家専業になる。持てる力を総動員して全力で小説に取り組む日々を送る。小説の大きな役割に挑む、現在最も期待される作家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
77
二編とも良い感じに沁みてきた。「草にすわる」は胆嚢の病気からほとんど引きこもりのように暮らす30歳の男性の再生が、「砂の城」はノーベル文学賞の候補にもなろうと言う文学者の還暦を過ぎて後の気づきが、まるで読み手一人に語られるように綴られる。家族や他人を重たいと感じる日々、翻弄されていると憂う日々が実は危うい積み木を重ねた奇跡の日々であったと思い当たる。一切を悔い改め生きようとしたのが自分ではないと悟った時、寄り添うことの意味を見つける。大切なのは人生の意味ではなく、そのものが祝福だと気づく。落ち着く読書。2019/08/08
~
10
草にすわる 砂の城 中編2本 曜子に感謝 慚愧の念を恩寵の名残と万謝して、生き直していくしかないのだ。2015/06/09
ばしこ♪
8
生き方。というのは、千差万別。正解なんてないのだろうけど、「何のために生きているのか」という問いを問われれば、答えることができない命題…。考えさせられる。。。2016/04/25
マーシュランド
7
白石さん、何冊目かな▼草にすわるの方が好みかな▼相性が良いです▼170502017/07/03
しゅしゅ
5
ただ何気なく生きている今この瞬間に、思わず畏れを抱いてしまうような短編集でした。地味な風景の中に、真っ直ぐに伸びた光がちゃんと描けていて、さすがだと思いました。特に、表題作の主人公がはっと我にかえり、本来のあるべき生活に馴染んでいく過程はとても爽やかで、静かな感動がありました。総じて、普段、意識しようとしてもなかなか難しいところを見事に表現した素敵な作品でした。2015/03/06




