内容説明
秋の月が鮮やかに冴え渡る宵、子供たちは往来で歌いはやしながら影を踏んで遊ぶ。糸屋の娘・おせきは、影を踏まれて以来、自分の影を映し出すものすべてを恐れるようになった。外出を怖がる娘を心配した父母は、偉い行者の話を聞きつけ、祈祷を願うが…(表題作)。英米の怪奇小説に造詣が深い綺堂の怪談ものは、時代を超えて、怖い。15編収録。
著者等紹介
岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年~1939年。旧幕臣の長男として東京に生まれる。新聞社に勤める傍ら劇評や小説を書き、文筆家としてスタート。新歌舞伎運動の代表的な劇作家としても有名。海外の推理小説を数多く読破し、その知識を元にして書いた『半七捕物帳』は、捕物帳の元祖といえる。また、時代を超えて怖い綺堂の怪談ものは、読者を妖しの世界へと誘う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けぴ
35
前半の青蛙堂鬼談15編は粒揃い。大正13-14年に書かれた短編ながら古さは感じず、しかも読みやすくストーリーが追いやすい。ページを戻って確かめたりすることなく、怪奇談に没入出来ます。後半近代異妖編3編は少し切れ味が劣る。その中では表題作は中々の佳作でした。発掘本屋大賞に推したい一冊❗️2025/10/07
佳乃
33
短編集のこれはこれでよかったけれど、自分的には少し物足りないように感じてしまった。怪談の怖さよりも奇怪だなぁ・・・と言うのが当てはまるかな。2016/09/24
まさ
32
青蛙堂に集う皆々が順番に語る不可思議な話。語り手はあったことを伝えるだけなので、謎のまま終わる話たち。薄暗い世界に灯りを見いだせないからゾクゾクとしたまま。12編それぞれ好みだけど、時期的に『蟹』が印象的。そして、併せて収録されている近代異妖編の『影を踏まれた女』もやはり好き。2020/11/28
Yu。
27
噂と事実‥関連性があろうと無かろうと、いや敢えてそこを突っつくのもまたヨロシ‥ だから怪談は面白い‥そんなあやふやさに魅せられる綺堂の怪奇幻想譚。。いいねえ‥この懐古的な良さがたまらなく、お供にお茶と和菓子を欲します。でお気に入りは、何故?そして貴方は誰?‥なんの繋がりも見えてこないのがまた不気味「蟹」。他「窯変」。「異妖編」の二話目“寺町の竹藪”。「月の夜がたり」の一話目“七月の二十六夜”。2018/04/11
みやび
26
雪の降る日、青蛙堂主人の招待を受けた客人達が、招かれた場で1人ずつ怪談語りをする。それぞれの語り口は淡々としていて、ただ起こった事や聞いた事を語るのみ。それ故に、結末はどれもぼんやりとしていて真相が分からない。ゆらゆらと幻影のように浮かび、掴み所のない幽霊のような物語。そこが普通の怪談とは違う岡本綺堂らしい怖さなのかもしれない。好きだったのは「利根の渡」「兄弟の魂」「猿の眼」「月の夜がたり」の中の二十六夜、そして「影を踏まれた女」。得体の知れないモノほど怖いモノはない。2021/06/16
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