朱鳥の陵

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  • サイズ A5判/ページ数 371p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087714395
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日本史上最強の女帝、持統天皇の心の闇
時は飛鳥。夢を読み解く力を持った白妙が、時の太上天皇讃良、後の持統天皇の心の中に飲み込まれていく。強大な権力を手中に収め、愛するものを次々と葬って来た持統天皇の真実に迫る歴史長編。

内容説明

飛鳥時代。人々の夢を解くことを生業とする白妙は、見知らぬ少女讃良の心を覗き込む。それは最高権力者である持統天皇の過去だった。やがて白妙は、恐るべき女帝の秘密へと近づいていく。古代日本最強の女帝、持統天皇の呪術的世界に迫る、歴史長編小説。

著者等紹介

坂東眞砂子[バンドウマサコ]
高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築とインテリアデザインを学ぶ。1996年『桜雨』で第三回島清恋愛文学賞、97年『山妣』で第一一六回直木賞を受賞。2002年『曼荼羅道』で第一五回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tama

47
図書館本 坂東作品5冊目 大化の改新から平城京が出来る頃を背景にした「連続毒殺事件の超能力推理モノ」。教科書に出る名前がゴロゴロしてるが肝心な辺りは「生きてるときの名前」なので調べないと判らない。更に名詞のルビが全部古語なのでそれを読んでるとなかなか進まない。途中で気がつき、今風に漢字の音読みに変えたら普通のテンポで読めた。お試しを。非常に面白く、しかもラスト近くの展開は「ど」ショッキング。男のそれとは別種の「女の欲」の怖さがメインテーマでありましょうか。2014/06/05

翔亀

38
恐ろしや。持統天皇の詠んだ「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてう天の香久山」とは、この小説のヒロイン白妙の生き皮を剥いで香久山の木に引っ掛けて晒しものにしてやる、という意味だったとは!!! 惜しい作家を亡くしたとつくづく思う。書紀に登場の人物を自在に活躍させ(片手に系図は必須)、現代語に古語ルビを振る独特の文体で、緻密に再現された白鴎の世界に、女帝持統の恐ろしい女の情念がリアルに描かれる。天武を大津を草壁を高市を殺した女としての持統は、絶対に好きになりたくないが、つい惹きつけられてしまう作家の企み■922014/06/07

Norico

31
漢字の読み方も難しいし、家系や役職や細かい説明なんかはなくても、すぐ物語の世界に引き込まれます。夢を解く力のある白妙が讃良の記憶に引きずり込まれる感じがリアルで。梨木さんの丹生都比売の読メの感想でこちらの本を知って読んだのですが、どちらの持統天皇も恐ろしい、激しい人だった。特にこれは最後が…。あの歌にそんな意味が込められてたら……2014/12/21

みっちゃん

30
装丁が美しい。振り仮名が多くて読みやすく、話も実に面白かった。讃良皇女(持統天皇)が怖い!有名な「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山」の歌の別解釈。ずっと昔に読んだ清原夏野の漫画や、梅棹氏の「隠された十字架」を思い出した。2015/01/29

紅花

27
久しぶりにこの時代の小説を読んた。夢解きという謎解きを通して、持統天皇の心の闇・・・・野望、悲しみ・・・に白妙のように引き込まれていった。白妙の身の上に起こった悲劇もだけど、頂点に立った女性の孤独がとても印象に残る。謎解きのミステリー小説っぽい部分も有るけど、額田王、高市皇子、不比等&三千代の脇役もその個性や業績をちりばめてあり、最後の稗田阿礼に「あっ」と思う。2016/07/29

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