内容説明
名奉行が輩出した江戸時代。彼らによって残された大量の裁判記録の中から、男女間の性的な事件・犯罪に対する裁きと仕置をまとめたのが本書である。粋な町民文化の象徴と思われがちな「色ごと」だが、不義密通はもちろん、婚前交際ですら、奉行書で一旦裁きにかかると、死刑や追放といった厳しい刑罰が待っていた。おおらかに性を楽しんでいたように見える江戸庶民。しかし実際は、身分差別や儒教による秩序原理によって縛られ、恋愛においても殆ど自由がない生活を強いられていたことが、この「色ごと仕置帳」から見えてくる。
目次
第1章 江戸の罪と罰
第2章 密通いたせし者は
第3章 手込めの儀につき
第4章 春をひさぐ女
第5章 心中は恋の終わりか
第6章 女犯せし僧は
第7章 殴る亭主
著者等紹介
丹野顕[タンノアキラ]
1940年、東京都生まれ。東京教育大学文学部卒業。出版社に勤め、百科事典・歴史辞典などの編集者を経て、文筆活動に入る。戦国・江戸時代の庶民の生活史・精神史を中心に、本名及びペンネーム淡野史良の名で執筆
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