感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
27
太閤こと豊臣秀吉の九州遠征の痕跡を丁寧に辿り研究成果をまとめた本。普通に小説を読んでたら一生読むこともなかったと思うが、娘のバドミントンの監督が歴史(郷史)好きで観戦の合間に熱く勧められて仕方なく読んだ感じ(笑)。しかしまぁ、太閤が水を飲めば「太閤水」、休憩すれば「太閤腰掛石」と次々に歴史がつくられていく様は当時の影響力の大きさに只々驚かされるばかりである。福岡市西区の我が家の前を通過してたという痕跡もあり興味深かった。聞けば著者は福岡青陵高校の社会科講師だったとのことで娘の母校でもあった。世間は狭い。2019/02/18
wei xian tiang
1
太閤道伝承自体は動座記他の史料で大体証明される。面白いのは弘法水ならぬ太閤水である。かなり根の深い水源崇拝、湧水信仰地と重なる所もあるようである。土着の信仰が弘法大師に上書きされるのはなんとなくわからんでもないが、豊国信仰が民衆に根付いた訳でもないのに、政治権力者秀吉の名が水源に付されるのは何か理由がありそうである。2014/07/21