感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
322
山田純子のペン画による画文集(文章は俊一との共作)。北はクンジュラフ峠、南はラワルピンディから遡ったギルギット。その間にあるのがラカボシ(7788m)の麓フンザの谷である。ここは「最後の桃源郷」ともいわれる地。『風の谷のナウシカ』の直接のモデルではないが連想は十分に可能な、そんな地である。そこは遥か昔から人々の生活の営みが今と変わらずに続いてきたかのような。しかし、その一方で、閉塞環境であるが故の生き辛さもまた存在する。また、そんな谷にも商品経済は忍び寄って来る。そんなフンザの谷の暮らしを淡々と伝える本。2022/07/18