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『シルヴィア・プラス詩集』
シルヴィア・プラス【著】、吉原幸子・皆見昭【訳】
思潮社(1995-04-01出版)
ISBN:4783724334
からっぽでいたいか、それとも、からっぽになどなりたくないか。ここではっきりとひとと分かたれ、弾かれ、別れてきたようにおもう。「花など要らなかった。ただわたしが欲しかったのは/掌を上に向けて横たわり空っぽでいること。」――でも血はこんなにも赤い!
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『詩篇アマータイム』
松本圭二【著】
思潮社(2000-08-15出版)
ISBN:4783712077
やっぱりこれは外せません。詩的な言い方を放棄して“かっこいい!”と叫びたくなるようなことばの魅力に興奮しつつ、ただそれだけで終わるものとはわけがちがう。言葉がすとんと、まっすぐ心にしみ落ちて、凄く感動します。その両立って稀なことです。
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『人生論ノート』
三木清【著】
新潮社(1992-05出版)
ISBN:4101019010
ちらりと捲れるような思念のふちから裏がわへ、詩が逃げるようにまわりこんで隠れる。甘美な感傷に酔っている者をバッタバッタと斬っていきますので、どんな良薬よりもよく効いて、私にはかけがえのない本です。厳しくも、真実を突いていて、かつ、あたたかい。主に昭和13年に「文學界」で連載されていたものを収めた名論文集。
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