批
評 ・ 自 伝 ・ 歴 史 そ の 他 |
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『古代への情熱 改訳』
ハインリヒ・シュリーマン【著】、村田数之亮【訳】 岩波書店(2003-06-16出版) ISBN:4003342011
トロイ戦争の神話伝説を信じて、現実に発掘してしまったという歴史学の偉人による自伝。その偉業からみても、この方は思い込みが激しかったようで、思い込んだら一念、なんでもやってしまう人のようだ。13ヶ国の言語を操り、世界中を旅していたという発掘以前、旅の途中で日本にも立ち寄っていたようで、『シュリーマン旅行記 清国・日本』では日本の文化を絶賛している。そんなハチャメチャなシュリーマンの生き方に学ぼう。 |
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| 『夢判断 改版<上巻><下巻>』
ジークムント・フロイト【著】、高橋義孝【訳】 新潮社 出版: 2005-08-25出版(上巻) 2005-08-25出版(下巻)
ISBN: 4102038035(上巻) 4102038043(下巻)
精神分析学者フロイトの決定的な仕事のひとつが夢による分析です。それまでは支離滅裂で無意味と思われていた夢に構造と体系を与え、私たちの気づかない願望の現われであるとしたフロイトの理論は心の仕組を解き明かす上で深くアクセルを踏み、以後さまざまな研究が加速度的に出現するきっかけとなりました。フロイトの考えと私たちの心を知る始めの一歩。 |
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『庭仕事の愉しみ』
ヘルマン・ヘッセ【著】、フォルカー・ミヒェルス【編】、岡田朝雄【訳】 草思社(1998-01-12出版) ISBN:4794207042
『車輪の下』『春の嵐』で詩心を歌い上げ、戦争に突入するや国粋主義者への反対活動を繰り広げたヘッセは、文筆と政治における活動の精神的ストレスを「庭いじり」で解消していたそうです。自然の樹木を通して瞑想し自らを解放させるヘッセの庭仕事は、それだけでヘッセの作品であり、思想なのです。区画ごとに仕分けて樹木を植え育てる、ヘッセの自然への視線はそのまま人々の上に注がれていたのかもしれません。 |
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『シュレーバー回想録』
ダーニエール・パウル・シュレーバー【著】、尾川浩・金関猛【訳】、石澤誠一【解題】 平凡社(2002-12-10出版) ISBN:4582764517
ドレスデン控訴院に勤務する法律家シュレーバーがつづった手記。ただの手記ではなく、強度のパラノイアを患ったシュレーバーの緻密に計算され、考察され、強迫的に思考されつくした妄想が展開し、ひとつの世界が形成されています。フロイト、ラカン、ドゥルーズと現代思想の面々に多大な影響を与えた震撼の書。
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『中世ヨーロッパ万華鏡<3> 名もなき中世人の日常―娯楽と刑罰のはざまで』
エルンスト・シューベルト【著】、藤代幸一【訳】 八坂書房(2005-03-25出版) ISBN:4896947398
ドイツを代表する歴史家による中世ヨーロッパの歴史研究を集めたシリーズの一冊。中でも本作はどこにでもいる市井の人々の生活を生き生きと写し出し、過去に遡るドイツ文化の心性を浮き彫りにさせます。厳しい時代を生き抜いた、歴史に記されることのない歴史にドイツの新しい一面を垣間見てください。 |
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| 『ドイツの人びと』
ヴァルター・ベンヤミン【著】、丘沢静也【訳】 晶文社(1984-10出版) ISBN:4794956835
ヒトラー政権樹立前夜の1932年、フランクフルトの新聞に連載された企画が話題を呼んでいた。19世紀に書かれた有名無名の人びとの手紙をそのまま掲載し、コメントをつけるというもので、カントやゲーテから街の本屋や妻にいたる手紙にひとつひとつ解説を加えていたのが当時迫害を受け亡命直前のベンヤミンだった。これは近代における「名も無き人びと(大半は著名人ではあるけど)」の日常だ。戦争期のドイツで市井の人々は何を思いどう暮らしていたのでしょうか。ベンヤミンの隠れた名著です。 |
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| 『救われた舌』
エリアス・カネッティ【著】、岩田行一【訳】 法政大学出版局(1981-10出版) ISBN:4588120468
ノーベル文学賞受賞者のカネッティはブルガリアに生まれたユダヤ人で、幼少期をさまざまな言語に囲まれて過ごした。ルーマニアに近い国境付近の町には常に5ヶ国以上の言語が飛び交い、しかも両親はそのどれでもないドイツ語で日常会話した。カネッティの思想と文学は一般に難解だと思われているが、それはこの言語の曖昧さにあるだろう。いくつもの言語の中で宙吊りにされたような言葉はつかみどころが無いように理解をすり抜け、直観に訴える。そんなカネッティの幼少期を描いた自伝三部作の第一部が本書です。 |
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池
内 紀 著 作 ・ 翻 訳 |
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| 『ファウスト』 <第1部><第2部>
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲ−テ【著】、池内紀【訳】 集英社
出版: 1999-10出版(第1部) 2000-01-26出版(第2部)
ISBN:
4087733157(第1部) 4087733165(第2部) |
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| 『カフカ小説全集』
1巻:失踪者 2巻:審判 3巻:城 4巻:変身ほか
フランツ・カフカ【著】、池内紀【訳】 白水社
出版: 2000-11-25出版(1巻) 2001-01-25出版(2巻) 2001-04-05出版(3巻) 2001-06-15出版(4巻)
ISBN:
4560047014(1巻) 4560047022(2巻) 4560047030(3巻) 4560047049(4巻) |
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| 『香水―ある人殺しの物語』
パトリック・ジュースキント【著】、池内紀【訳】 文藝春秋(1988-12-15出版) ISBN:416310660X
80年代ドイツの最大のベストセラーである本書は、異常な嗅覚を生まれつき持った男が香水調合師となり、更なる芳香を求めて女性を殺し歩くというフシギな怪奇冒険譚。18世紀のパリを舞台にした作品で、フランス小説かと思いきや原題DAS
PAFUMというれっきとしたドイツ小説です。 |
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| 『ぼくのドイツ文学講義』
池内紀【著】 岩波書店(1996-01-22出版) ISBN:4004304288 |
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| 『ゲーテさんこんばんは』
池内紀【著】 集英社(2001-09-10出版) ISBN:4087745295 |
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| 『森の紳士録―ぼくの出会った生き物たち』
池内紀【著】 岩波書店(2005-09-21出版) ISBN:4004309700 |
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| 『遊園地の木馬』
池内紀【著】 みすず書房(1998-01-09出版) ISBN:4622046504 |
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| 『架空旅行記』
池内紀【著】 鹿島出版会(1995-04-25出版) ISBN:4306093379 |
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| 『悪魔の話』
池内紀【著】 講談社(1991-02-20出版) ISBN:4061490397 |
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