統合の終焉 EUの実像と論理

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統合の終焉 EUの実像と論理

  • 著者名:遠藤乾
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  • 岩波書店(2023/08発売)
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  • ISBN:9784000258999

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内容説明

連邦国家を目標とする「統合」の物語は終わった.けれども,どっこいEUは生きている.このことをどう考えたらよいのだろうか.EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析,統合の思想的検討などを通じて,ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく.気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作.

目次

まえがき
第1章 ヨーロッパ統合の政治学――EUの実像と世界秩序の行方
第Ⅰ部 EUの歴史的形成――統合リーダーシップのドラマツルギー
第2章 ジャン・モネ――「ヨーロッパの父」は何を創ったのか
第3章 ジャック・ドロール――中興の祖はどう動いたのか
第4章 マーガレット・サッチャー――劇場化するヨーロッパ
第Ⅱ部 ポスト統合を生きるEU――冷戦,拡大,憲法
第5章 鏡としてのヨーロッパ統合――「地域」の作り方と安全保障,経済統合,人権規範
第6章 拡大ヨーロッパの政治的ダイナミズム――「EU-NATO-CE体制」の終焉
第7章 統合の終焉か――フランス・オランダによる欧州憲法条約否決は何を意味する
第Ⅲ部 危機の下のEU/ユーロ――正統性,機能主義,デモクラシー
第8章 ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題――国家を超えたデモクラシーは可能か
第9章 ユーロ危機の本質――EUの正統性問題からグローバルな「政治」危機へ
第Ⅳ部 国際政治思想としてのEU――世界秩序における主権,自由,学知
第10章 ようこそ「多元にして可分な政治体」へ――EUにおける主権と補完性
第11章 国際政治における自由――EUシティズンシップの問いかけ
第12章 日本におけるEU研究の可能性――方法論的ナショナリズムを超えて

初出一覧
あとがき
人名索引・事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mininayo

1
率直に言って、ドロールを扱った第三章の叙述はつまらない。ここで読むのをやめようかと思ったくらいだったが、その他の章はそれぞれ勉強になる内容だった。特に補完性の思想史を扱った第十章は興味深い内容だった。2016/08/09

cocoro vagabonda

1
憲法を共有する連邦となる像を失った後に、国家とも国際機関とも異なる形で存在し続けるEUについて、その現状と背景にある思想の両面を描き出した書。検討は多岐に渡るが、個人的にはEUを特異なものとしている「補完性」の思想的検討にあてられた第十章が興味深い。神聖ローマ帝国との相互依存とカルヴァン派都市としての自治を両立させようと尽力したアルトゥジウスと十九世紀の「社会主義者」プルードン、そして教皇ピウス十一世にその起源を辿れるという「補完性」の奇妙な相貌はそのままEUという存在のユニークさの一面を表しているよう。2014/02/09

むっち

1
 統合の終焉というタイトルは、EUを既存の国家を物差しにして議論することは終わりだという意味なんですね。正直、EUに関して、あまりにも知らなすぎたと思った。イメージは社会民主主義的な連邦国家を目指すが、自由主義的潮流に翻弄されているという自分のイメージとはかけ離れた現実の姿を人物に光を当てる前半の部分とホッブス。ルソーの時代から議論のあった民主と統合の問題まで溯る後半の理念の部分と政治学には素人ながら、結構刺激を受けた。無知すぎたのかもしれないし、政治学を学ぶ人にはあたりまえなのだろうが、冷戦構造から生ま2013/08/28

nabebe

0
読み終わった。長かった。著者の授業を受けていることもあり、「国家」でも「国際組織」でもないUPOであるEUの全体像をつかむために読んだのだが、宗教が絡んでくる歴史や、構造的な部分がいまいちわかりにくかった。しかし、大まかな流れが分かっていれば良いと言うことなので、そういうことを押さえていきたい。2017/01/19

在我壷中

0
『ポスト統合』と目指した連邦国家を『終焉』と。しかし、ナショナリズムは主権は通貨、財政は・・・『軍事的脅威』の時代は今はもう昔。では経済的規模を拡大しアメリカへ対抗する『大欧州』を謳うと?・・・我が国には、EU統合から何を学ぶと、戦後、自由民主主義を、55年体制後には『二大政党制』『政権交代』と今には『道州制』『大阪都構想』・・・維新以降開国近代化と欧米を先進国と追い続け大学には今だヨーロッパ大学のカーボンコピーと。そして、そんな今に世界は将に『ソーシャル・キャピタル』『ジオポリテクス』を謳うのでしょう。2013/11/04

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