内容説明
連邦国家を目標とする「統合」の物語は終わった.けれども,どっこいEUは生きている.このことをどう考えたらよいのだろうか.EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析,統合の思想的検討などを通じて,ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく.気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作.
目次
まえがき
第1章 ヨーロッパ統合の政治学――EUの実像と世界秩序の行方
第Ⅰ部 EUの歴史的形成――統合リーダーシップのドラマツルギー
第2章 ジャン・モネ――「ヨーロッパの父」は何を創ったのか
第3章 ジャック・ドロール――中興の祖はどう動いたのか
第4章 マーガレット・サッチャー――劇場化するヨーロッパ
第Ⅱ部 ポスト統合を生きるEU――冷戦,拡大,憲法
第5章 鏡としてのヨーロッパ統合――「地域」の作り方と安全保障,経済統合,人権規範
第6章 拡大ヨーロッパの政治的ダイナミズム――「EU-NATO-CE体制」の終焉
第7章 統合の終焉か――フランス・オランダによる欧州憲法条約否決は何を意味する
第Ⅲ部 危機の下のEU/ユーロ――正統性,機能主義,デモクラシー
第8章 ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題――国家を超えたデモクラシーは可能か
第9章 ユーロ危機の本質――EUの正統性問題からグローバルな「政治」危機へ
第Ⅳ部 国際政治思想としてのEU――世界秩序における主権,自由,学知
第10章 ようこそ「多元にして可分な政治体」へ――EUにおける主権と補完性
第11章 国際政治における自由――EUシティズンシップの問いかけ
第12章 日本におけるEU研究の可能性――方法論的ナショナリズムを超えて
注
初出一覧
あとがき
人名索引・事項索引
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mininayo
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nabebe
在我壷中