岩波文庫<br> 源氏物語(二) 紅葉賀―明石

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岩波文庫
源氏物語(二) 紅葉賀―明石

  • ISBN:9784003510162
  • NDC分類:913.36

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内容説明

朧月夜に似るものぞなき--政敵の娘との密会が発覚し,須磨・明石へと流れてゆく光源氏…….六条御息所の生き霊に命を奪われる葵上,新枕を交わす紫上など,優美な女君との恋愛模様が織りなされる紅葉賀から明石までの七帖.新日本古典文学大系版による精密な原文に,最新の成果を盛り込む注解と補訳. (全9冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

凡 例
紅葉賀(もみぢのが)
花 宴(はなのえん)
葵(あふひ)
賢 木(さかき)
花散里(はなちるさと)
須 磨(すま)
明 石(あかし)
付 図
解 説 『源氏物語』本文の構築(藤井貞和)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

86
再読。嫉妬の権現として悪いイメージで捉えられる六条御息所ですが、再読すると相手を想って内に秘めてしまう奥ゆかしい女性でした。葵上方に車争ひで侮辱された時、「自分の地位が低いからなのか・・・」と思い詰める姿、娘の斎宮の幸せを願う心、自分が生霊となって葵上を祟っている事に気づいた絶望を思うと彼女の事をいじましく、思います。そして「葵」なのに話したことは一言だけ。(衰弱している時の言葉は六条御息所の言葉なので除く)若しかしたら、本心を掴めない葵上は時代によって押し殺されてしまった女達の象徴だったのかもしれない2017/12/16

NAO

73
葵の上、六条御息所、二人のプライドをかけた確執。父親的保護者だと信頼しきっていた源氏が突如男として迫ってきて衝撃を受けた紫の上と、女性作家ならではの心理描写の細やかさ。懲りない男源氏は、政敵が后候補として育てた娘に手を出して官位剥奪。だが、こういった田舎での謹慎も、希代のもて男在原業平に似せ、他の貴族と違うという箔をつけたかったのだろう。 2018/08/31

syaori

55
紅葉賀から明石まで。父帝の鍾愛により「心もとなき所なく世に栄え」る前半と、その崩御により落魄し、須磨に謫居する後半のコントラストが美しい巻。俊成卿に「殊勝なり」と評された紫式部の優美な筆は、古人の和歌を風景や心情に響かせて、この巻に入って一層冴えわたってくるように思われます。また源氏の君の輝きに照らされる物思いといった形で、藤壺から夕顔まで、身分も「心もかたちもとりどり」な女君たちの輪郭や個性を見事に描き分けてみせる手際にもため息ばかり。夢幻的で、今後の物語の広がりを感じさせる須磨・明石の帖を経て次巻へ。2021/04/05

金吾

30
○藤壺や朧月夜への源氏の行動は理解しがたいですが、もののあわれなのでしょうか?ときたま源典侍のようなパンチの効いた人が場を緩やかにさせるので、紫式部のすごさを感じます。須磨は好きな部分ですので良かったです。 2024/01/04

tsu55

17
紅葉賀から明石まで。紅葉賀での青海波の舞は人生の絶頂を思わせるものっだったが、「例のおぼしそめつる事絶えぬ御癖」が災いして須磨・明石に蟄居するはめに。現代の倫理観を古典文学にに当てはめてはいけないとは判っているが、それにしても源氏の女好きな「御癖」には引いてしまうなぁ。2019/08/20

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