文春文庫<br> 静おばあちゃんにおまかせ

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文春文庫
静おばあちゃんにおまかせ

  • 著者名:中山七里
  • 価格 ¥722(本体¥657)
  • 文藝春秋(2014/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167902407

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内容説明

警視庁一課の刑事、葛城公彦は平凡な青年。天才的な閃きにも鋭い洞察にも無縁だが、ガールフレンドの高遠寺円に助けられ、今日も難事件に立ち向かう。法律家を志望する円のブレーンは元裁判官の静おばあちゃん。最後まで予断を許さないストーリー展開で一気に読ませる痛快アームチェア・ディテクティブ連作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SJW

294
「切り裂きジャックの告白」に登場する若手刑事・葛城公彦とベテラン刑事の犬養隼人が登場している。今回は葛城とそのガールフレンドの円(まどか)、そのおばあちゃんの静で事件解決に当たる。五つの短編から構成されているが、各々が読みごたえがあり毎回、トリックが分からず、最後の種明かしでなるほどと首肯してしまう。今回の不条理は組織や権力の腐敗、新興宗教の詐欺、酒酔い運転による過失致死などで、これらの不条理を円と葛城を通して裁いていく静おばあちゃんがとても頼もしい。最後の短編で思いもよらない展開となり唖然!さすが中山さ2018/01/11

ひさか

253
別冊文藝春秋2011年7月号静おばあちゃんの知恵、9月号静おばあちゃんの童心、11月号静おばあちゃんの不信、2012年1月号静おばあちゃんの醜聞、3月号静おばあちゃんの秘密、の5つの連作短編を2012年7月文藝春秋から刊行。2014年11月文春文庫化。法曹界に身を置いたことのある静おばあちゃんの安楽椅子探偵ミステリー。謎解きも面白いが、裁くことの難しさへの言及が興味深い。どんでん返し的なラストもインパクトありました。静おばあちゃんの魅力的な人物設定に魅入られました。2021/06/29

Yunemo

250
カバーに若干の恥ずかしさを感じながらも、中山作品ということで購入。いやいやどうして、静おばあちゃんの一言一言が身に沁みます。この着眼点一つ一つに拘れば、全体的な状況設定なんて‼成長、価値基準の定義。自分の規範と世間の良識を擦り合わせていく作業、これが成長。自分と自分を信じてくれる者に胸が張れるかどうか、これが価値基準。単純ながら全くその通りとの感。でも何らかの果実と引き換えに、悩みながらでも、捨ててしまう、捨てざるを得ない状況も多く、というのも実感として。警察内部組織の葛藤も視野に入って。最後にへぇーと。2017/11/26

nobby

192
何より一番の仕掛けはその心温まるイラストな表紙と取り上げられる事件の重厚さのギャップ。凡庸な刑事・葛城と法曹を目指す女子大生・円、そして元裁判官の静おばあちゃん。淡い恋模様もあり柔らかい展開だが、解決するのは警察内・新興宗教・他国首脳など組織絡みの本格的な謎解き。円の両親の轢逃げの真犯人探しに惹かれながら迎えるラストはまさかの唖然(笑)さすが中山作品、この作風ならでは許せてしまう。2015/11/21

のり

185
テミスの剣を先に読了してしまった為に時系列に違和感を感じながら先に進みました。警視庁捜一の「葛城」は、紳士的対応と生真面目さが全面に出ている成長株の好青年。彼女は「高円寺 静」の孫の「円」。静の躾の賜物か、元々の資質か、まだ学生だが法曹の世界に進もうとする、しっかり者で器量良し。連作短編で事件が進むが、解明のブレーンは…流石長年に渡る人生経験がものをいい、着眼、発想が素晴らしい。ラスト章の秘密で、違和感が払拭された。若い二人の先も読んでみたい。2017/10/03

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