内容説明
わたしは一体、どこから来たのだろう? 著者自身の先祖は江戸時代、紀州から房総半島へ渡った漁師で、なぜか「コンニャク屋」という屋号で呼ばれていた。祖父が遺した手記を手がかりに、五反田から千葉、和歌山へ、時空を超えたルーツ探しの珍道中が始まる。体内に流れる漁師の血を再確認しつつ、家族や血族の意味を静かに問い直す、感動のノンフィクション作品。各紙誌絶賛、読売文学賞、いける本大賞ダブル受賞の傑作!
目次
第1章 コンニャク屋の人々
第2章 五反田
第3章 御宿・岩和田
第4章 東へ
第5章 紀州
第6章 末裔たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
屋号である「コンニャク屋」と自らのルーツを探すノンフィクションでした。五反田から和歌山まで右往左往する行動力には脱帽です。陳道中とも言える迷走っぷりが面白かったです。2023/01/13
優希
42
著者のルーツ探しの旅でした。五反田に始まり和歌山まで右往左往しながら屋号について突き詰めていくのが面白かったです。 2022/04/02
ヨリヨリ
33
著者自身のルーツ探しの旅。先祖の屋号はなぜか「コンニャク屋」!2014/07/07
C-biscuit
14
後輩にもらう。自分では買わない本かなぁと思っていたが、読むとノンフィクションであり面白い。著者のルーツをたどるような本であるが、一般的なサラリーマンからすると漁師の生活感などを興味深く知ることができる。知っている地名も多く、NTT関東病院がちょこちょこでてきた。新築工事に参加したので、周囲の状況もよくわかり面白い。関西出身なので、白浜や勝浦などという地名はいまだに和歌山のイメージなのであるが、千葉に同名の場所が多いのもなんとくわかった。記録を残すことは重要と改めて思う。タイトルからは想像もつかない内容。2019/03/20
雲をみるひと
13
作者自身のルーツの探求がテーマ。他作品同様関係する場所へ訪問し関係者と会話することで話を膨らませ展開させる手法の作者らしい作品。五反田、岩和田や加太などの描写が丁寧で登場人物に関する情報量も多いので、個人的ストーリーにも関わらず臨場感を味わえる。むしろ、作者の手法は本作のようなファミリーストーリーで本領発揮されるのかもしれない。2021/01/21