文春文庫<br> 柚子は九年で - 随筆集

個数:1
紙書籍版価格
¥638
  • 電子書籍
  • Reader

文春文庫
柚子は九年で - 随筆集

  • 著者名:葉室麟
  • 価格 ¥600(本体¥546)
  • 文藝春秋(2014/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167900564
  • NDC分類:914.6

ファイル: /

内容説明

「自分の残り時間を考えた。十年、二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかと思ったが、二度とあきらめたくなかった」――50歳で創作活動を始め、第146回直木賞を『蜩ノ記』で受賞した、いま最も中高年に支持されている作家・葉室麟、初めての随筆集。若き日々への回想や出会った人々や書物、直木賞受賞後のあれやこれや。江戸時代の博多を舞台にした短篇小説「夏芝居」も収録。

目次

随筆 たそがれ官兵衛(墓場鬼太郎 黒田如水 るしへる ほか)
折々の随筆(松本清張『天保図録』政治の「悪」描いた時代小説 一本の矢 消された英雄 ほか)
直木賞受賞後に(早乙女さんのこと 柚子の花が咲くとき わたしにとって男の理想像 ほか)
短編小説 夏芝居

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

73
大好きな作家さんなので、この方の「随筆」というものを読んでみたくなった。葉室氏の生き様や考え方がストレートに伝わってきて、ますます葉室氏のファンになりそう。。短編小説『夏芝居』も良い。「柚子は9年で花が咲く」。落ち込んだ時や上手くいかなかった時に、前向きになれそうなこの言葉も素敵。久しぶりに葉室氏の作品を読もうかな。。2015/03/05

hiro

72
葉室麟さんの作品は、まだ芥川賞受賞作の『蜩ノ記』を含めて2作品しか読んでいないが、藤沢周平さんの影響を感じていた。それを裏付けるように、この本のなかの西日本新聞に連載された随筆の題名も、福岡出身らしい「たそがれ官兵衛」だった。さらに、この随筆集のなかでも、藤沢作品を「無名のひとびとを癒す記者の視線が物語の中に込められているという気がする」、だから大人の小説だという。今後も藤沢さんを受け継いだ、私たち読者の心に残る大人の時代小説を期待する。また、今年秋公開予定の『蜩ノ記』の映画も大変楽しみだ。2014/07/12

Tadashi Tanohata

26
「桃栗三年、柿八年、柚子は九年で花が咲く」と続く地方があるらしい。それに例えて、葉室麟は5回目の選考会、「蜩ノ記」で足掛け10年で直木賞を受賞する。その10年の思いのこもった内容とタイトルだ。遅咲きだか、とにかく真面目な先生なんだと、心底感じる。そんなおり、アインシュタインが日本で残したメモが競売にと。「意志あるところに道は開ける」と。刺激的な一日だ。2017/10/25

ともとも

26
直木賞作家で、多くの心暖まる作品を世の中に出している葉室麟さん。 葉室さんの歴史感、生い立ち、日常、直木賞秘話、そして短編作品。 納得と、面白味を感じながらも、どこか、一生懸命で柔らかさを感じさせる、 だからこそ素敵な作品が描けるのかも、しみじみ思わされながらも、 葉室さんとその作品に魅力されてしまう、そんな一冊でした。 2016/06/30

あまね

19
『紫匂う』で葉室作品と出会い、今月はほぼほぼ葉室さんの小説を読んでいました。読み終えたいくつかの小説のエッセンスがすっきりとした文章で綴られていて楽しめました。元・新聞記者さんだけあって、よくまとまっているなと思いました。後半の直木賞受賞後の日記は興味深く、また藤沢作品についての講評はご自身と藤沢先生が記者としてどういう目で取材をしていたのかを記されています。小説も面白いですが、エッセイも読ませる力はさすがでした。2018/05/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7951414
  • ご注意事項