文春文庫<br> それもまたちいさな光

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文春文庫
それもまたちいさな光

  • 著者名:角田光代
  • 価格 ¥502(本体¥457)
  • 文藝春秋(2012/11発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167672089
  • NDC分類:913.6

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内容説明

デザイン会社に勤める悠木仁絵は35歳独身。いまの生活に不満はないが、結婚しないまま1人で歳をとっていくのか悩みはじめていた。そんな彼女に思いを寄せる、幼馴染の駒場雄大。雄大と宙ぶらりんな関係のまま恋愛に踏み込めない仁絵には、ある理由があった…。2人の関係はかわるのか? 人生の岐路にたつ大人たちのラブストーリー。「オール讀物」掲載と同時にTBS「開局60周年記念番組」としてラジオドラマ化した、異例のコラボレーション企画原作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

279
主人公・仁絵の成長を見るこの作品。それは、この世に生きる数多の人たちが、それぞれの人生で、それぞれの生き方の中で小さくとも大切にしたいと思う、何かしらのこだわりを持ちながら日々を歩んでいく様を見る物語でした。決して大きなことが起こるわけではなく、三十代の一人の女性の一年の日常を切り取ったこの作品。一層目と二層目にそれぞれ描かれるさまざまな”愛のかたち”を見事につむぎあげる鮮やかな結末に角田光代さんの上手さを感じさせるこの作品。静かに淡々と描かれる物語の中に、人の心の機微を強く感じさせる、そんな作品でした。2022/03/02

yoshida

238
35歳で独身。人生の岐路に立つ大人達の恋愛事情。私も晩婚なので何となく手に取りました。色々なケースが出てきまし。過去の恋愛で辛い体験をしている仁絵と幼馴染みの雄大。付き合っているのか定かでない珠子。長年不倫している、鹿ノ子。別居のすえ離婚を選ぶラジオパーソナリティーの竜胆美帆子。それぞれの選択があり現在がある。過去は変えられないが未来は切り開ける。私も過去に25歳迄にお互い独身だったら、なんて話していた相手もいたが一緒にならず。結局、その時の考えや状況で変わるもの。自分の経験も重ねられるリアルな作品。2015/05/17

masa@レビューお休み中

215
始まりから終わりまで、ここかしこでラジオが流れる。それは、会社の事務所であったり、町の洋食屋であったり、タクシーや病室のベッドであったりもする。ラジオはどこにいても聞くことができる。何をしていても流すことができる。一生懸命聴くこともできるし、聴きたい話だけ耳を傾けることもできる。年齢も性別も職業もバラバラな人々が同じラジオ番組を聴いている。これは単なる恋愛小説ではない。人生の物語であり、ヒューマンドラマなのだ。だから、恋にときめくのではなく、人生に感じいりたいと思っている人に読んでほしいと思ってしまう。2014/07/07

ミカママ

184
角田さんの小説は大好きでほとんど読んでるけど、これは...!だめです、反則です。(最大級の褒め言葉) 最初から最後まで心臓をグラグラ揺すられる感じ。それでいてめちゃくちゃ読みやすくて。ガールズ3人+ラジオパーソナリティ(これも女子)、4人4様の恋+人生ストーリー。結婚生活がたのしい人もたのしくない人も、つらい恋をしている人もしていない人も、ぜひご一読を。2014/07/13

団塊シニア

130
角田作品の魅力は解りやすい言葉のなかに光る言葉が必ずあるところです。珠子と仁絵の会話、「見つめあう夫婦っていないのかな」「見つめあってたら生活できないんじやないの」このフレーズが好きです。2013/10/21

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