文春文庫<br> 運命の人 〈4〉

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文春文庫
運命の人 〈4〉

  • 著者名:山崎豊子
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167556099
  • NDC分類:913.6

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内容説明

国家権力に叩きのめされた弓成は、すべてを失って沖縄へ辿り着き、様々な島の人々と出会う。取材に邁進していた頃は見えなかった沖縄の辛い歴史と、いまもレイプやヘリコプター墜落など基地がらみの事件が頻発し、アメリカに蹂躙されつづける現実に直面した彼は、ゆっくりと甦り、ふたたびペンを手にする。そのとき、あの密約を立証する公文書が米国立公文書館で発見されたというニュースが飛び込んできて……感動の巨篇、ここに完結。電子版には、沖縄取材記を特別収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

122
山崎の主張、それは戦争と沖縄。死に場所を求めるように弓成は沖縄へ。そこでは「陛下の赤子」という皇民化政策の末、見捨てられた人たちがいた。集団自決に鉄の暴風。悲劇は戦後、返還後も続いた。狭い土地に米軍基地が集中。95年には少女暴行事件で県民の怒りが沸騰。今も残る地位協定は誰のため?後半、米国立公文書館で何を見つけた?秘密保護法にも関連。フィクションとして弓成の喪失と再生を描くと同時に戦争の悲惨さを見事に訴えた。未完の絶筆となった「約束の海」前に書かれた作品で、彼女の強いメッセージを知るには読むしかない!2019/08/26

ユザキ部長

93
無惨に敗れさる。為すべき事は何か?絶望の淵から思う。しかし、どう考えても迂闊で脇が甘かった。振る舞いひとつで現代史は変わっていたのではないか?完璧な人間は存在しない。しかし、個が公に打って出る時は綻びがあってはいけないのか?拳の振り上げ方とタイミングか?それが運命であろうか?そんな事を思った。2017/05/05

キムチ27

66
筆者最後の長編作品。4巻目は筆者が語りたい想いを弓成の生きざま 背後に立つ様で総括している感あり。インタビューで発語すら吐くように述べる山崎氏の姿が脳裏をよぎる。題の意は弓成であろう。国VSジャーナリズムの図式で押しつぶされた犠牲者・・弓成。引き寄せられたかのように住み着いた沖縄、当地出身の学者が暴く密約の真相。今なお続く沖縄の苦しみと他岸の火事のていを為すウチナンチュー。ペンを持つ使命として書かずには死ねない想いだったろう。組織が先鋭化し、現代化することは宿命的に秘密保持が高度化して行く。2014/02/12

修一郎

65
第4巻,山崎先生は主題の一つとして,未解決の沖縄問題,沖縄は本土の犠牲であり続けていることを訴えている。綿密な取材に基づく沖縄の歴史が鮮やかに描かれている。最後までスタイル貫いた。ただ小説として伝わったか?…語り部の選択を間違えていないか?弓成は自分がのし上がるために沖縄返還の機密を利用しようとした人。彼は沖縄の辛い過去を後追いで知っただけ。久々の山崎作品,往年の豊子節は健在だったが心に届いたか。私は20年前に山崎作品を読んだ時のような魂がゆさぶられる体験をもう一度したい。やはり大地の子,再読か…2014/04/27

菜穂子

46
報道に身を置いた一人の男の生き方を読んできたが、唯一地上戦が行われた場所沖縄、その後も永く続く戦後、沖縄返還の密約スクープから防衛機密の裁判。沖縄で生きた証言を取材する最後の最後を読み、作者が本当に書きたかったのは我々が知らな過ぎた沖縄の事だった。2023/11/02

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