内容説明
その類いまれなる好奇心で現代思想の奥の奥まで分け入るウチダ先生。人気ブログ「内田樹の研究室」のコンピレーション本である本作では、構造主義でこの国の過去・現在・未来を捉えます。時間的に後から来たものがすべてを支配する、という歴史主義的な考え方に対し、構造主義では時間の広がりと深みを重んじます。「私とは違う時間の中に生きている人に世界はどのように見えているのか私にはよくわからない」。そんな謙抑的な知性で、ウチダ先生と一緒に「こんな日本」について考えてみませんか。
目次
1章 制度の起源に向かって―言語、親族、儀礼、贈与(「言いたいこと」は「言葉」のあとに存在し始める 言葉の力 ほか)
2章 ニッポン精神分析―平和と安全の国ゆえの精神病理(格差社会って何だろう 「少子化問題」は存在しない ほか)
3章 生き延びる力―コミュニケーションの感度(生き延びる力 生きていてくれさえすればいい ほか)
4章 日本辺境論―これが日本の生きる道?(辺境で何か問題でも? 変革が好きな人たち ほか)