内容説明
企業間のトラブル処理を極秘裏に請負う人間を、関西では「捌き屋」と呼ぶ。鶴谷康は絶対不可能と言われた難題を、あらゆる情報網を駆使しながら土壇場でひっくり返すことで有名な凄腕の捌き屋だ。今回彼に舞い込んだのは、神奈川県の下水処理場にまつわる政財界を巻き込んだ受注トラブルの処理。一匹狼の彼は、難攻不落の壁を突き破れるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
59
企業間のトラブル処理を秘密裏に請け負う、一匹狼の「捌き屋」鶴谷康シリーズ第1作。今回は神奈川県の下水処理場の受注トラブルにまつわる処理。主人公の鶴谷はじめ、企業の役員、天下りの元役人、ジャーナリスト、更に関東、関西のヤクザまでと登場人物は一癖も二癖もある輩ばかり。公共事業と建設業界の裏側って本当にこんな感じなのでしょうか?興味深く読めました。引き続きシリーズ追いかけたいと思います。 2018/08/27
ずっきん
51
企業間のトラブルシューター鶴谷康シリーズ1。アンダーグラウンドな薫りがするけど経済娯楽小説のが近い。とにもかくにも、なんだこのツンデレダークヒーローは!? むっちゃ男臭い! 礼を言われると「そんな話はどうでもええねん」って冷ややかにデレる鶴谷に「ハート鷲掴み」やねん(笑) 周囲でうごめくオッサン達のキャラの立たせっぷりも本当に上手い。脇でさえしっかりと印象づけられて、誰だっけ?ということがない。ベタベタサクサク読める展開もよかった。ちょっとハートフル若頭白岩シリーズも追っかける。2018/08/25
ヨーコ・オクダ
23
コレ、シリーズものみたいね。企業交渉人・鶴谷。舞台は関東やけど、大阪出身なのでコテコテ関西弁。幼馴染みのヤクザ・白岩が絡み出すともっとコテコテに!?一方で、仕事の進め方は結構ドライ。ただ、お金で寝返りそうな相手へのお金の使い方にはちょっぴり浪花節が感じられたり…。今回は、談合によって内定していた公共工事の権利がひっくり返ったトラブルの回収の依頼。信頼のおける調査員たちによるデータ集め、調査、尾行等々から、ウラの事情を炙り出し、交渉相手と対峙。ハードボイルド要素、経済小説要素もあって楽しい。2022/06/17
JACK
11
☆ 企業間トラブルの解決を請け負う「捌き屋」の鶴谷康を描くシリーズ第一作。公共工事の入札で内定を受けた松島組。しかし、工事を取りまとめる設計事務所が何の根拠も示さずに内定を取消してしまう。松島組と設計事務所の交渉は決裂し、松島組は鶴谷に交渉を依頼する。設計事務所はなぜ業界の慣習に反して波風を立てる内定取り消しを選択したのか。鶴谷は相手の情報を収集して弱みを見つけ、交渉を進めていく。主人公だけでなく登場人物みんなにエピソードがあり、厚みのある人物として描かれています。なかなか魅力的な作品です。2023/07/23
rakim
7
白岩さんモノからこちらへ。同様に登場人物のキャラがしっかりしていて面白かったです。ヤワな草食系なんてクソくらえ…っぽいところが魅力的。内容は男性的ですが、(今まで読んだところ)浜田さんの小説の中の女性が このようなタイプの小説によくある性的魅力だけのお飾りではないところが好き。ドラマ化するならキャストは?なんて考える楽しみも有りでした。2012/07/17