内容説明
夢遊病? 記憶喪失? 奇妙な記憶に思い悩む私だが、原因として思い当たるのは以前食べたあの……!? 心の奥底からひたひたと怖さがつのってくる表題作ほか、軽妙洒脱な筆致で知られる著者が、全作品の中から選りすぐった珠玉のホラー短編13編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
223
著者・阿刀田高氏自身による自作品の自選集。13の短編にて編まれている。阿刀田氏は、2007年から2011年まで日本ペンクラブ会長を務め、ミステリーからブラックユーモアまでショートショートを主にエロ色が盛り込まれた短編が多い。その数は800作品にも及ぶ。ショートショートに関して、故・星新一の第一人者的存在だろう。本書は、作者自ら選んだ作品で、ありふれた日常から、逸脱していく不安感・漠然とした薄気味悪さを表現している。現実が崩壊していく恐怖感を主眼している"モダン・ホラー"の典型的な作品集といえるだろう。2021/05/09
じゅんぢ
35
ホラー初心者から上級者まで満足できる作品集だと思う。2019/09/07
takaC
33
角川ホラー文庫創刊第二弾15冊のうちの1冊で発売当初に間違えて2冊も買った(消費税3%込560円)のだけど収録全13話とも過去の短編集からの転載でがっかりしたことを20年ぶりに思い起こした。で、20年ぶりに読んだ今回は記憶が薄れていて結構楽しめた。2013/12/07
ヒロくま
19
阿刀田先生の本は数十年ぶりな気がします。若い時はよく読ませて頂いてました。懐かしい文体。優しそうに見せかけて、知らない間にそっと突き放されるような冷たい怖さを感じるような小説集でした。2015/08/17
りず
15
ちょい古さは感じるものの、古き良き日本らしいホラーな話がいっぱいで面白かった!しっかりとゾクッとする話もあって終始楽しめた。こんな感じで、何気なく怪異は身近にあって、簡単に出会ってしまうものなのかと思うと、嫌な気もしつつ、ちょっと楽しみな気もする笑。2021/07/27