内容説明
教育問題は学校教育の枠内では決して解決できない。さらに家庭教育、社会教育等を個々に加算しても問題の核心には達しない。問題解決には、社会と教育の関係を多重的に見据えた総合的なアプローチが不可欠だ―時代の深層に埋め込まれた社会装置としての教育の本質と実態を徹底的に明らかにする。そして、社会との協働連関のなか因果的に作用する問題の所在を突き止め、社会における教育の根源的な再構築を目指す著者長年の画期的成果。
目次
教育制度の基礎たる社会制度をどう理解するか
教育の基礎過程におけるイニシエーションの意味と機能
教育の基層―世代間の交換と世代継起
世代継起と第一次教育機制
知識の商品化と近代教育の価値形態の成立
教育における再生産の構造と機能
文化資本の社会的基礎と制度的位置
教育制度における自治とその条件
教育制度の支配的構造と文化的再生産
オートポイエーシスとしての教育システム
情報資本主義の教育環境イデオロギー的検討
変わりゆく情報環境と教職メディアの構築
著者等紹介
井上正志[イノウエタダシ]
1943年、愛知県生まれ。京都大学大学院教育学研究科教育学専攻博士課程単位取得満期退学。新潟大学教授(教育学部・教育学研究科)、新潟大学大学院現代社会文化研究科教授を経て、京都光華女子大学教授。新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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