内容説明
働く母親の社会進出は先進諸国ではあたりまえとされる現代、出産・育児に伴う女性の役割分担と意識改革は、未だなお先進国共通の懸案の一つだ。20世紀への転換期のアメリカ合衆国において、働く母親のための共同保育を提案し、「不自然な母親」と厳しい批判を浴びながらも、毅然として闘った一人のフェミニストがいた。その生涯と日本での受容を考察し、母性のあるべき位相を追求した、わが国初のギルマンのモノグラフ。
目次
序論 シャーロット・パーキンズ・ギルマンと新しい母性
第1章 病んだ母性の発見
第2章 新しい母性の模索
第3章 「ハーランド」、あるいは「ニュー・マザー」のユートピア
第4章 ギルマンのフェミニズム思想と日本の受容
エピローグ ギルマンの新しい母性と近代フェミニズムの課題
著者等紹介
山内惠[ヤマウチメグミ]
1970年愛知県立大学外国学部卒業。日本通運(株)、日立金属(株)での就労を経て、長男の出産を機に退職。「友の会」(羽仁もと子創刊の『婦人之友』の読者の集まり)に10年間在籍し、3人の子どもの子育てと主婦業に専念。1990年埼玉大学教養学部学士入学(42歳)。1992年埼玉大学大学院文化科学研究科入学。1994年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程入学。1998年~1999年コーネル大学大学院留学。2001年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程満期退学。2002年東京外国語大学大学院より学術博士号授与。現在、清泉女子大学、桜美林大学、埼玉工業大学、東京女子大学にて非常勤講師。熊谷市男女共同参画審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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