内容説明
制限戦争から全面戦争へ、傭兵制から徴兵制へ、重装騎兵からカノン砲へ―ヨーロッパ集権国家形成の起源を、近世における戦争様式の変遷の歴史に探る。
目次
第1章 中世末期の戦争(序論;武器と戦術 ほか)
第2章 イタリア戦争から三〇年戦争へ(最初の軍事革命;兵士の「身分」 ほか)
第3章 アンシャン・レジーム期の戦争(序論;第二次軍事革命 ほか)
第4章 フランス革命期とナポレオン時代の戦争(序論;徴兵 ほか)
著者等紹介
バルベーロ,アレッサンドロ[バルベーロ,アレッサンドロ] [Barbero,Alessandro]
1959年生まれ。東ピエモンテ大学文哲学部教授(中世史講座)。トリノ大学およびピサ高等師範学校卒業。ローマ大学講師、東ピエモンテ大学文哲学部准教授を経て現職。テレビの歴史番組等でも活躍。ストレーザ賞、マンゾーニ章等を受賞した小説家としても著名
西澤龍生[ニシザワリュウセイ]
1928年東京生まれ。京都大学文学部卒業。筑波大学名誉教授。専攻は西洋史学
石黒盛久[イシグロモリヒサ]
1963年、愛知県名古屋市に生まれる。筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科西洋史専攻課程修了。イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学文哲学部に留学。専攻は西洋史学。博士(文学)。金沢大学教育学部助教授を経て、金沢大学人間社会人間社会研究域歴史言語文化学系教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
14
イタリア人の研究家による一冊。所謂「軍事革命」とか議論が分かれる部分はちょっと認識古くないかとも思うが、要領よくまとめてある。マスケット銃や大砲の技術革新だけではなく、国家が恒常的に軍隊を維持するために行政改革を進めたことが、近世ヨーロッパにおける軍事上の大きな変化であったことがよくわかるところ。モノだけではなく、それを運用する仕組みも整えることが大切ということかな。2025/03/07
皿笊
2
近世ヨーロッパにおける戦争形態の流れを丁寧に追う。中世末期、国家の強大化や傭兵体制の限界により戦争は国家の専管事項になった。その後も兵器の開発といった軍事革命が戦術の変化につながったり、行政の変革と共に新たな軍事組織が確立したりしていく。そしてナポレオンの登場により後世の先駆けとなる戦術につながっていった。軍事という一つのトピックを歴史の流れに合わせ細かく追うことができた。また、当時の戦争にも文化や産業等様々な要素が絡み合っている事を感じた。2015/07/28
hurosinki
2
再読。戦列を組んで撃ち合わせる戦術は実践的でないとしたうえで、これの訓練は軍事合理性に照らして正当化できない、という記述はやや根拠が薄弱だろうと思ったが、それ以外は非常にわかりやすく、キレイに纏まってる。陸戦史は歩兵の復活(スイス歩兵を起源とする)、国家内の恒常的組織としての軍隊の誕生を二大転機として大きな流れを描く。2019/06/02
カリスマ予備校生
2
銃が戦争においてどう使われていったかの歴史に近い気もした。 あんまり理解していないのでそのうちもう一回読みたい2015/01/06
ちよざと
1
中世からナポレオン台頭までのヨーロッパにおける戦を主に戦術からなる兵科の違い、徴兵と兵士の関係性、海戦、陸戦などから分析している。文章自体が比較的平易なため読みやすく入門本としていいと思う。2021/01/25