内容説明
名画には『モナ・リザ』や『ひまわり』など“表通りの”著名な作品ばかりでなく、一部の人のみぞ知る優品も多い。あえて“裏通りの”知られざる傑作に光をあて隠れた魅力を紹介する、はじめての読んで知る名画。
目次
1 眠けざましの絵
2 風刺の潜む絵
3 ちょっと気になる絵
4 信仰の礎としての絵
5 ストーリーのある絵
6 季節と人と風物の絵
7 遊びと愉しみの絵
8 思索する絵
著者等紹介
千足伸行[センゾクノブユキ]
美術史家、成城大学教授。1940年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてミュンヘン大学に留学、主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。帰国後、国立西洋美術館に復帰。1979年から成城大学に勤務し、のち名誉教授。ヨーロッパ近代、特に世紀末美術を専門とし、多くの展覧会も企画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
103
本書に取り上げられた76点の絵画は、いずれも誰もが知る名作ではない。一風変わった著者の好みの作品を見開きで右に解説とエッセイ、左にモノクロの絵を載せている。手に取ってみたのは読友さんのおかげ。表紙の「シャルロッテ・ヴァルドーニュ嬢の肖像」は今日大阪で開催中のメトロポリタン美術館展で実物を目に焼き付けてきた。本書では作者不詳とあるが、展覧会の目録で、1996年マリー・ドニーズ・ヴィレールの作品と同定されたと知る。1897年の時点ではダヴィッド作と言われていた。逆光の中、女流作家らしい柔らかなタッチが美しい。2022/01/08
りー
16
僕はもともと名画の名画たるゆえんとかはよくわからないので、好きな絵は無名でも好きだし興味ない絵は有名でも興味ない。だからなかなか見る機会が無い無名画家の絵が見られることは純粋に楽しかったし、解説もその絵に対する愛情が感じられてすこぶる面白い一冊だった。個人的にはリカルド・ベリの「北欧の夏の宵」あたりに惹かれた。2013/07/15
春ドーナツ
9
著者がはしがきで「読者は本書で紹介されている絵画を見るのは生まれて初めてだろう」というようなことを言っている。確かにそうだった。けれども世界そのものが「氷山の一角」のようなものなのだから、美術一般にもそれは当てはまる気がする。例えば、小説だって、現在流通している(あるいは図書館で借りることができる)ものの内、99%を私は知らなくて、それらが紹介されれば、生まれて初めて知ることになる。著者を当て擦っている訳ではさらさらなくて、「生まれて初めて見る」こととは一体何だろうと考えてみたに過ぎない。2017/05/06
Rinopy
4
図版が白黒なのが残念ですが、タイトル通りあまり知られてないようなマイナーな絵画を取り上げていて着眼点が面白いです。因みにこの表紙の作品はメトロポリタン美術館の日めくりカレンダーに入ってました!さすがめとろぽりたん…いいもの持ってるなあ。個人的には今練習中のカルミナ・ブラーナの歌謡集の絵が取り上げられていたのが嬉しい!2013/08/12
Hatsumi Sakoda
2
隠れ名画といっても中には“日本ではあまり知られていない”だけの画家も含まれている。実際、海外の美術館に行くと名前も知らない素晴らしい画家がいたりして、もったいないなあ、と思うことしばしだったりするのだが。予算的都合もあるだろうが、やはり絵画に関する本だけに絵画はカラーで見せて欲しかった、そこが残念。2016/03/11
-
- 電子書籍
- 般若心経講義