内容説明
グローバル化に伴う学問空間の拡大と様々な出自の新研究者の参入―これらの変動は比較教育学界に、活況とともに研究領域と学問観の拡散・動揺をもたらしている。先進国教育の移植から途上国開発援助への力点移動をはじめ、研究ベクトルが多様化するなか、今や「比較教育学とは何か」は必須の問いとなった。学会会員アンケートや紀要掲載論文の分析を交え、26名の研究者を結集してこの問いに応えた。
目次
第1部 比較教育学にかかる学問観と学会の変遷(世界の中の日本比較教育学―学問論と研究実態;日本の比較教育学における伝統と多様化―学会員アンケートの傾向分析から ほか)
第2部 比較教育学の研究視角(教育学における比較教育学の位置づけ―教育実践研究の「フィールド」解明のための「比較研究」;社会理論と比較教育学 ほか)
第3部 比較教育学の研究対象(比較教育学における教育内容・政策研究―日本における現状と課題;課題型教育研究と比較教育学1―高等教育グローバル化・領域拡大の中で変化する役割と期待 ほか)
第4部 地域との関わりを基盤とする比較教育学(比較教育学とその周辺領域における南アジア教育研究;欧州・中東をみる比較教育学―欧州とアジア、または文化の狭間で ほか)
著者等紹介
山田肖子[ヤマダショウコ]
1968年生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科准教授(教育政策研究、アフリカ研究)。民間財団、国際開発コンサルタント、広島大学、政策研究大学院大学を経て現職。インディアナ大学Ph.D.
森下稔[モリシタミノル]
1967年生まれ。東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科海洋工学系准教授(教職課程担当)。1997年九州大学大学院教育学研究科博士課程単位取得後退学。鹿児島女子短期大学、東京商船大学を経て現職。専門はタイ教育研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。